歯を磨くとき、多くの人は歯磨き粉(歯磨剤)を使用していることと思います。
歯磨き粉には、フッ素や抗菌物質などの薬用成分以外にも、保存料や着色料、研磨剤、湿潤剤、香料、清涼剤、発泡剤(界面活性剤)など、非常に多くの添加物、化学物質を含みます。
ご存知の方も多いと思いますが、洗剤やシャンプー等によく含まれる合成界面活性剤は、皮膚や粘膜に対する刺激作用や毒性が強いとされています。
合成界面活性剤は、生態系で分解されにくく、海水や河川の水質汚染の原因の一つです。
界面活性剤は、本来は馴染まない水と油を混ざるようにする作用を持ちます。
特に石油系の合成界面活性剤の洗浄作用は強力で、体内への浸透度がより強いと考えられています。
その代表がラウリル硫酸ナトリウムです。
現在市販されている多くの歯磨剤は、多種多様の添加物や化学物質を含んでいる
この成分は、多くの家庭用洗剤やシャンプーをはじめ、歯磨き粉にも含まれています。
ごく微量で、しかも単一成分で行った実験では人体に大きな問題はないとされていますが、成分が身体に合わないヒトや皮膚の弱い方は発疹を起こしたりします。
ところで、口腔内の粘膜は、非常に吸収が良いことで知られています。
例えば、狭心症の発作に用いられるニトログリセリンが舌下投与であることは多くのヒトが知るところでしょう。
また、以前には、高血圧薬のニフェジピンカプセル(アダラート)の舌下投与が、急激な血圧降下をきたし危険であるとして禁忌となりました。
つまり、口腔粘膜は薬物等の吸収が非常に速やかなのです。
このような環境下で使用する歯磨き粉において、多くの薬物や化学物質の成分が含まれていることに加え、合成界面活性剤はこれらの体内への吸収を助長することが危惧されます。
さらに、複数の薬剤、化学物質の相互作用に関しては、その安全性は確認のしようがないのが現実です。
歯磨きは、一日に何回も、そして何十年も毎日欠かさず行いますから、毒性の蓄積ということも決して見逃すことはできません。
歯磨きをする際、歯磨き粉は基本的に必要ありませんが、もし使用する場合には合成界面活性剤を含まないものをお勧めします。
また、食器にも合成洗剤が残らないよう十分にすすぐか、合成界面活性剤を主原料としないものを使うのが良いでしょう。
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