神経を取った失活歯(しっかつし)は、歯に栄養供給が無くなるため、非常に脆くなります。

通常の食事をしていても、歯根にクラック(ひび割れ)が入る可能性があります。


歯根のクラックの診査には、いくつか方法があります。
●レントゲンによる歯槽硬線の拡大や乱れをみる
●歯周ピケットを測定する(プロービング)
●クラウンやコアを外して、歯根の内部から確認する方法
●歯肉を剥離(はくり:はがすこと)して、歯根表面を確認する方法


レントゲンでは、ひび割れの存在は直接的には分かりません。
しかし、歯根を取り巻く歯根膜腔が拡大して(広く)見える時は、クラックの疑いが濃厚です。

また、歯周ポケットは、歯根周囲の骨の溶け具合を確認できます。
クラックが疑われる場合には、通常のポケット測定(プロービングという)の圧力よりも強めのプロービング圧で調べると、クラックに一致したところに深い歯周ポケットを観察することが出来ます。


失活歯で、レントゲン上の歯根膜腔の拡大と、深い歯周ポケットが観察される場合には、クラックの可能性が極めて高いといえます。

この裏づけをするために、クラウンやコアを外して中から確認する、あるいは歯肉を剥離して確認することを行います。

しかしながら、ここまでしても、全てのクラックを肉眼で直接的に確認することは不可能です。



失活歯の治療を始めてから、クラックの存在が分かることも少なくありません。

特に、痛みや腫れなどの症状が無い失活歯の治療の場合には、事前にクラックの存在を知るのは非常に困難です。

もし、明らかなクラックが見つかったなら、抜歯が必要になる可能性が高いと思われるので、抜歯後の治療計画についても担当の先生とよく相談しておくとよいでしょう。


  ブログランキング・にほんブログ村へ