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今回は、大臼歯(奥歯)への歯根分割抜去法について書きます。
大臼歯は、強力な咬合力を支えるため、歯根が複数本あります。
一般的には、下顎が2本、上顎が3本の歯根を持ちます。
これらの歯根のうち、いずれかの歯根が歯根破折やパーフォレーション(穿孔;歯根に穴が開くこと)などの保存不可能な状態に陥った場合、その歯根は取り除かなければなりません。
大丈夫な歯根を残して、ダメな歯根を分割して抜去することを、歯根分割抜去法と呼びます。
特に下顎においてはヘミセクション、上顎においてはトライセクションといいます。
近心根(手前側の歯根)が破折しており、抜歯が必要(矢印)
ヘミセクション後。歯根を半分に切断し、ダメな近心根のみを抜去した。遠心根(矢印)をブリッジの支えとして温存した
現在では、インプラントの成績が向上しているため、無理に歯根を残さずインプラントにする場合が多くなっています。
しかし、少しでもご自身の歯を残していきたい方は、このように歯根を分割して保存する方法もあります。
このように歯根を分割してブリッジの支えにしても、10年以上機能しているものもあります。
それぞれの治療法にメリット・デメリットがありますので、治療法の決定に際しては、担当の先生とよくご相談されることをお勧めいたします。