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今回は、知覚過敏の原因になる「くさび状欠損」について書きます。

知覚過敏は、歯の外部からの温熱や機械的な刺激を痛みとして感じる症状です。

歯の白い部分はエナメル質と呼ばれており、このエナメル質は構造上痛みを感じることはありません。

したがって、エナメル質に限局したC1の虫歯では、全く症状はありません。


歯が痛みを感じるのは、エナメル質の内部にある象牙質が、温熱や機械的刺激を受けたからに他なりません。

通常、歯や歯茎が健康な状態であれば、歯がしみたり痛みを感じることはありません。

しかし、歯茎が痩せて下がったり、歯の付け根がえぐれたりすると、象牙質が露出し、虫歯でなくてもしみたり痛みを感じるようになります。

この歯の付け根が削れてくぼんだ状態を、「くさび状欠損」と呼んでいます。


 
歯の付け根(歯頸部;しけいぶ)が削れた「くさび状欠損」。しばしば知覚過敏の原因になる

 
このくさび状欠損は、主に次の2つの原因によって起こります。
●過度のブラッシング圧
●噛み合わせの力

噛み合わせの力は非常に強力であり、歯並びや噛み合わせの不具合によって、上下の歯が部分的に不当に強く当たると、その歯の付け根に応力が集中し、歯に微小な亀裂を生じます。

その亀裂が広がってくさび状のくぼみとなるのです。

特に歯ぎしりや食い縛りのある方は、多数歯のくさび状欠損を生じやすく、歯の寿命にも関わるので、必要に応じてナイトガード(マウスピース)の装着をお勧めすることがあります。

また、不当な噛み合わせの当たりがある場合には、くさび状欠損をそれ以上進行させないために、噛み合わせ調整(咬合調整)をする必要があります。

くさび状欠損にレジンを詰める処置は、あくまで対症療法に過ぎません。

くさび状欠損による知覚過敏がある場合には、合わせて噛み合わせの診査や調整もしていただきましょう。


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