タヒボ茶には抗癌作用があることが知られています。
 

実際、私の知り合いの先生の証言では、癌の末期だった人が、タヒボ茶を常飲することで癌が消失したというエピソードを複数の先生から聞きました。

「タヒボ茶」に関すると図書は多く出版されていました。

 

 

 

タヒボでガンが治ったというような本も多くありますが・・・・・

 

 

でも、疑い深い私は 本当に、どの程度のエビデンスがあるのかを調べてみることにしました。
 

その結果、がん患者に対する臨床的なエビデンスは見出すことができませんでしたが、細胞レベルや、動物実験レベルでは抗癌作用があることを示す論文は多数ありました。

おそらく、がん患者の場合は、すでにエビデンスのある標準療法が優先されるために、人に対する単独による臨床試験が難しいためではないかと思います。

ここでは現在わかっている、試験管レベルや細胞レベルでのエビデンスをまとめてみます。

 

1)タヒボ茶の有効成分である ベータラパコンは、細胞研究において、ヒトの乳がん、前立腺がん、白血病などのがん細胞など、さまざまながんに対して活性があることが報告されています
(参照文献:J Rubén Gómez Castellanos 1, José M Prieto, Michael Heinrich:Red Lapacho (Tabebuia impetiginosa)--a global ethnopharmacological commodity?,J Ethnopharmacol. 2009 Jan 12;121(1):1-13. doi:10.1016/j.jep.2008.10.004.)

 

2)タヒボ抽出液(タヒボ茶)は、エストロゲン受容体をブロックし、抗がん遺伝子や解毒遺伝子(bcl-2やCYP1A1など)を活性化することにより、乳がん細胞を死滅させる可能性があります。

(参照:タベブイア・アベランダエの内樹皮由来のタヒボによるエストロゲン受容体陽性ヒト乳がん細胞の増殖阻害:B Mukherjee , N Telang, G Y C Wong:Growth inhibition of estrogen receptor positive human breast cancer cells by Taheebo from the inner bark of Tabebuia avellandae tree,Int J Mol Med. 2009 Aug;24(2):253-60. doi: 10.3892/ijmm_00000228.)
 

3)頭頸部がんを患ったマウスにおける放射線療法のがん死滅効果を高め、生存期間を延長する可能性があります。

 

正常細胞よりも癌細胞で活性が高い重要な癌遺伝子 ( NQO1 )の活性を低下させました。これにより、β-ラパコンは自然にがん特異的となり、さまざまながんを標的とする可能性があります。

(参考文献:UDP-グルクロン酸転移酵素 1A はヒト結腸癌細胞における β-ラパコンの細胞内蓄積と抗癌効果を決定する:UDP-Glucuronosyltransferase 1A Determinates Intracellular Accumulation and Anti-Cancer Effect of β-Lapachone in Human Colon Cancer Cells,PLoS One. 2015; 10(2): e0117051.)


4)ヒト癌細胞をベータラパコンで処理すると、細胞内の抗癌経路 (Prx1) が増感されました

 

これにより、がん細胞が酸化ストレスに対して脆弱になり、がん細胞の死(アポトーシス)を引き起こす可能性があります。β-パコンは、従来の癌治療(標準療法)の効果を増強する可能性がある 

(参考文献:ペルオキシレドキシン 1 のノックダウンにより、がん細胞が活性酸素種生成薬に対して感受性を高める - 化学療法の代替アプローチ:Tiantian He et al:Peroxiredoxin 1 knockdown sensitizes cancer cells to reactive oxygen species-generating drugs - an alternative approach for chemotherapy,Free Radic Biol Med. 2014 Oct;75 Suppl 1:S13. doi: 10.1016/j.freeradbiomed.2014.10.583.)

(タヒボ茶の欠点と新たな工夫)
タヒボ茶は、細胞学的検証や試験管内の研究では抗癌作用があるように思われます。

ただ、タヒボ茶の抗癌成分であるβ-ラパコンは腸管から吸収されにくいことと効果(作用)時間が短いことが欠点です。

この欠点を克服すべく、近年ではβ-ラパコンと別の抗がん剤(パクリタキセル)の両方を含む安定したナノ粒子を臨床応用に導入する試みがあります。
 

これらの粒子は肺がんと膵臓がんに有効で、より良く吸収されると報告されています。
(参考文献:NQO1 標的がん治療のための新規ナノ治療薬として薬物カプセル化と治療相乗効果を改善した β-ラパコンとパクリタキセルの組み合わせ:Ling Zhang et al:β-Lapachone and Paclitaxel Combination Micelles with Improved Drug Encapsulation and Therapeutic Synergy as Novel Nanotherapeutics for NQO1-Targeted Cancer Therapy,Mol Pharm. 2015 Nov 2;12(11):3999-4010.)

 

以上の結果から、癌の標準療法を補完する方法として、とりわけ乳がん、前立腺がん、白血病、肺がんなどの癌は、標準療法の効果を高める可能性、及び寛解後の再発防止に向けた予防効果はあると可能性があります。
 

「タヒボ茶」はインカ帝国以前から、多くの病気に対する妙薬として珍重され伝統医学の一種ですが、実は、癌以外にも多くの効用があり、古くからインディオの間で使われてきたという歴史があります。 

 

多くの伝統的民間療法の中から優れた薬品が作られていくことを考えると、あながち真っ向から否定できるものではないと思います。

 

「タヒボ茶」は、万能薬と言われ、癌以外にも多くの効用が知られています。

 

癌以外にどのような効用があるかは、次回です。