早いもので、師走の初めての日曜 閑話休題です
本日は、プライベートで東京に来ています。 さぶいですね・・・・
ほんだ歯科でも一般臨床を手伝ってくれていた娘が無事出産を終えたので、孫のと初対面です
週明けから、口臭外来も復活していますので、とんぼ返りです
先日 東京生まれの東京育ちの姪っ子から、小さい頃「しらゆき姫」の「姫(ひめ)」が長い間、発音できなくて、小学生の時に笑われたという話を聞きました。
「ひめ」が「しめ」になるというのです。
確かに生粋の東京の人(江戸っ子)は、「ひ」の発音が「し」になるというのはよくあることです。
古典落語「江戸荒物」の中に、江戸の隠居に江戸言葉を習った男が「しばち(火鉢)にし(火)がねえから、し(火)をもってきな。」と言われて、塩をもってきたという噺があります。
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北海道の旭川に行った時に、車内のアナウンスが「つぎは、あさしかわ~、あさしかわ~」というアナウンスをき聞いて、北海道の人も、「ひ」の発音ができないのだと驚いたことがあります。
駅名を確認しなかったら危うく、乗り過ごすところでした。
「まるたか」という屋号で、○の中に「高」と書いて 高島屋と同じロゴでした。
歌舞伎なら「丸高屋(マルタカヤ)」て大向うから掛け声がかかりそうです。
質屋と言うのは、今は殆どなくなりましたが、当時は、炊飯器や、冷蔵庫、テレビや時計、和服、洋服 などを日用雑貨を預け担保にして、お金を貸してくれる庶民の金融機関ですね。
当時は、「いちろく銀行」 と呼ばれていました。1と6で7・・「ひち」の 隠語 ですね。7の読みは、東京の人は「しち」なんですかね
今では質屋(ひちや)さんは、すっかりと陰をひそめ、ブランド買い取りショップになっていますね。
大阪では、「ひちや」が普通ですが、東京では例外なく「しちや」になります。
(写真:Wikipedia)
東京以北の人は、寒くて、口が開きにくいから「ひ」という口角を左右に引っ張る発音ができないのだな・・と思っていました。
寒い地方へ行けば行くほど、滑舌 が悪いように思います。
大阪のおばちゃんは滑舌が良く、つばを飛ばしながら、大きな声でよく喋りつづけます。
ほとんどのおばちゃんは「飴ちゃん」
を持っていて、よくくれます。
「飴ちゃん たべぇ~」という感じです。
どうも、東京の人が、「質屋」(ひちや)と言えないのは、今に始まったことではなく、江戸時代からですね。
文政10年(1827年)に発行された十返舎一九の作、浮世絵師、歌川広重の画で出版された「職人尽」挿絵を見ると「質屋」にふりがながつけられ「志(し)ちや」になっていますね。
ところで、江戸っ子が「ひ」が発音できない理由が豊橋技術科学大学機械工学系の吉永司助教と飯田明由教授、国立国語研究所の前川喜久雄教授の研究チームが解明しました
東京の人は、「東(ひがし)」を「シガシ」、「髭(ひげ)」を「シゲ」などと話す現象がみられ研究されたそうです。
私達の歯科領域では、発音がうまくできない場合を「構音障害」といい、治療対象にしています。
研究の結果、子音について「音声学」では、主に舌の前後方向の位置の違いで分類していましたが、左右方向の舌の形状も重要だということが新たな発見です。
これが「ヒ」と「シ」の混同の原因にもなり得るという。
「ヒ」も「シ」も硬口蓋と言われる上顎の(天井)前方部に舌の表面を近づけて発音するため、「ヒ」を発音しようと思っても無意識に「シ」と 同じ位置になってしまったり、「シ」を発音しようと思っても「ヒ」と同じ位置になったりするためです。
「し」は舌先はやや前に当たり、「ひ」は「し」よりもやや後ろに接触します。
かつ、舌の左右のバランスが悪いと、その区別がつかなくなるそうなのです。
「ひ」が「し」と聞こえるそうです。
江戸っ子の舌は、どうも左右のバランスが悪いようです。
ましてや、周囲に「ひ」を「し」と発音するひとの中で育つと、だんだん区別ができなくなるという発見でした。
どうも、本人は「ひ」と発音しているつもりが、口腔内気流の関係で「し」と聞こえることが多いらしいのです。
東京人は、無意識に「ひ」と発音しているにも関わらず、関西人には「し」と聞こえるということですね。
これは伝統的に、大きな声で喋り続ける大阪人と、無口で控えめで、お上品な東京人の差かも知れませんね。
(追記)
ちなみに、「ひちや」と入力したら、変換の候補がなく
東京人は言えるかなたぶん無理やろなぁ・・・大阪の人は、ちゃんと言えるでぇ
「人の非は、非とぞ憎みて非とすれど、我が非は非とぞ知れども非とはせず」
「ひとのひは、ひとぞにくみてひとすれど、わがひはひとぞしれどもひとはせず」
東京の人が読めば
「人の死は、人ぞ憎みて死とすれど、我が死は死とぞ知れども死とはせず」→他人の死は認めても、自分が死んでも死を認めない東京の人