口臭を診断する場合に、口臭に含まれるガスの分析はとても重要です。
口臭を構成するガスは、数百種類ありますが、口臭とりわけ、口の中の臭気(口腔内臭気)の約80%は硫黄系化合物です。
全てのガスの種類について、分析することは不可能で、口腔内のガス分析としては、硫黄系化合物の代表である、硫化水素、メチルメルカプタン、ジメチルサルファイドの3種類のガスを測定されることが、多いのです。
(ほんだ歯科では2種類の精度の高いガスクロ方式の測定器で測定されます)
なぜ、歯科ではこの3種類が測定されるかの意味について解説しておきます。
これらの3種類の硫黄系のガスは、実は、健康な人も発生させます。
ニオイが少しづつ異なります。
硫化水素:卵の腐ったような臭気で、「おなら臭」と間違いやすく、温泉などでは一般的な臭気で、身近な臭気です。このガスは、健康な人の口の中に常在する菌が生産します。
したがって、口からおなら臭を感じたとしても、驚くことも不安になることもないのです。誰にも起こるガスだからです。
ジメチルメルカプタン:メタンチオールとも呼ばれます。腐敗した玉ねぎのような臭気とたとえられることが多いです。また、チーズの特有のにおいを作っているのもこのガスです。
このガスは、健康な人の常在細菌の作り出しますが、主として歯周病原因菌が作り出します。
歯周病がひどくなると、このガスの割合、硫化水の比べて増えていきます。
つまり、このガスの割合は「歯周病リスク」や「口腔内の細菌汚染」「病的口臭」の指標になるのです。
ジメチルサルファイド:このにおいは、「磯臭い(いそくさい)」臭気、または「腐ったキャベツのような臭気」と表現さえることが多いです。
常在細菌の一部の菌も産生しますが、舌の奥に生息する悪玉菌が産生することが多いです。また、咽頭炎などの耳鼻科疾患を引きこす菌がよく産生します。
これらの3種類のガス検出されたからと言って、歯周病などの病的な状態とは断定できませんが、お口の中の状態を予測することができます。
硫化水素が、ジメチルメルカプタンに比較して多い人は、健康な大丈夫です。
また、お口の中の微生物的な環境にも問題ない人が多いです。
しかし、ジメチルメルカプタンの量が硫化水素の比べて多くなっていくにしたがって、歯周病リスクの高い人であることがわかり、同時に歯周病チェックすることで歯周病の状態がわかります。
また、ジメチルサルファイドは健康な人にはほとんど検出されませんが、多く検出される人ほど、舌の奥に白苔の多いストレスを抱えている人や、膿栓、後鼻漏など耳鼻科的なリスクを抱えている人が多い傾向がわかります。
また、この3種類のガスの濃度の合計によって、一般的な人との比較が推定できるのですが、実は、口臭の測定は、測定する時間や、その時の身体のコンディションによって変動が激しく、計測した瞬間の状態しかわからないのです。
また、たった3種類の揮発性硫黄化合物を測定したからと言って、口臭全体を評価できるかというとできませんので、あくまでも歯周病リスクや、耳鼻咽喉科的なリスクを知るということで意味があるのです。
よく聞かれる質問で、「口臭があるはずなのに、この検査で検出されなかった」「普段口臭なんてないのに、たまたま測定したら高く検出された」という不安や不満がありますが、それは測定した時の条件によるもので、3種類の硫黄化合物測定だけでば診断できないのです。
あくまでも、測定しその瞬間は、その数値だったということで、条件が変われば全然違う数値になったりします。
したがって、ほんだ歯科では、併せて、揮発性硫黄化合物以外のすべてのガスの測定や、お口の中のすべての菌を活性化させて、わざと口臭を作り、その人の最大口臭(能力)を測定し、同時に鼻による感応検査によって総合的に診断しているのです。
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EBACクリニックの先生や歯科衛生士・専門スタッフはほんだ歯科で、研修を終えて認定され、ほんだ式口臭治療法を習得して認定された、専門クリニック集団です。
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全国各地にありますので、口臭で深刻に悩まれている人への専門治療や、おしゃれとして口臭を無臭化(オーラルでドランと)したい人は、もよりのEBACクリニックを受診してください。
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