お茶閑話休題コーヒー

前回、大阪最古にして見どころ満載、ご利益満載、とりわけ縁切り神社として有名な大阪のパワースポット、生國魂神社について書きました。
 

 

 

浪速っ子(大阪市内の土着民)には「いくたまさん」として親しまれているにも関わらず、なぜ観光ルートから外されてるのか??

私なりの考察ですチョキ

神社には、律令時代から、第2次世界大戦後まで 社格があるのですが、「生國魂神社」は数ある神社の中の最高位の旧官幣大社」に位置づけられ日本の数ある神社の中で最も格式の高い神社なのです。

大阪最古にして最高社格「生國魂神社」については、いろいろな歴史的な研究がなされています。

もともと、生國魂神社は現在の大阪城のあたり(大阪の中心)にありましたが、豊臣秀吉が大阪城建設に当たり、大阪城の鬼門となる現在の位置に、大阪(昔は大坂)の「総鎮守の社」として、大阪城の南西方の生玉町に鎮座しているのです。

ここがいかにして神聖で、かつ宗教的な意味合いからも、浮わついた観光という物見遊山な気持ちでは行けない理由があるのです。

まず、観光者が、訪れると、他の神社とは異なる違和感を感じるでしょう。

まず、ロケーションです。下矢印の地図を見てください。



☆ は、Ebreath Clinic 心斎橋のあるビルです。前の道は大阪駅からなんば駅まで結ぶ御堂筋です。

○ はグリコのネオンサインです。
赤四角に囲んだ場所が大阪最大のミナミの飲み屋街(繁華街)です。
下矢印



 

生國魂神社のあるところは左の四つ角(下寺町交差点)から30メートルくらい上にあります。(急な坂道を登る参道です)

ピンク色で囲んだ場所は、大阪で一番巨大な 風俗店(デリヘル・ホテヘル・店舗型ヘルス)およびラブホテル街です。下矢印日本橋界隈・国立分楽座裏



 

ラブホテル以外のビルの殆どは風俗店です。ホテヘル嬢が出入りしています。



生魂國神社の、地図のすぐ右にもピンク色で囲った場所があります。

そこもラブホテル街で、ビルはほとんどが風俗店です。ウインク

神社を出ると、すぐに目の間はこんな光景です。下矢印初めて来られるとびっくりします!!

鳥居の入り口は上も下の風俗街ポーン

 



ビルから、派遣されたデリヘル嬢が、続々お出ましになり、ホテルには即席のカップル男性トイレ女性トイレが吸い込まれていく光景を目にするでしょう。


昔は、この一角に、ソープランドもありましたが、現在は大阪にはありません。すべて風俗店に変わりました。ラブ

もう一度地図を見ると「生國魂神社」の左側と 周囲を取り囲むように青い枠で囲まれた地域があります。




実は、この一角を起点として天王寺にいたるまで、延々とお墓とお寺があります。

生國魂神社の左下の筋は お寺が連なる「下寺町」右の筋が「谷町筋」で上町台地の山の頂上付近です。

谷町筋界隈は、お金持ちの街で、昔は、「相撲力士」を金銭的に応援し、力士の贔屓筋は「たにまち」と呼ばれています。

つまり、「生國魂神社」はお寺とお墓とラブホテルに囲まれて存在ます。ポーン

ここからは、神戸大学人間発達環境環境学研究科の武井夏生先生の「差別ートラウマ・体液・聖と穢」言う論文を参考に私なりの考察です。

 

この論文は、途方もなく難解です(10回くらい読み直しました)が、「生國魂神社」の存在の意味を知る上でとても参考になりました。

なお、この論文を理解するには、生國魂神社の正しいロケーションと歴史認識が必要なので、予備知識として長々と書きました。

 

 

 

昔から、ピンクで囲まれた地域は、風俗街で、江戸時代以前から、売られてきた女性がたむろする(かなり底辺の)女郎屋敷、また最も貧民である「乞食(今で言うところのホームレス)」がたむろし、病気をして役に立たなくなった女郎や行き倒れのホームレスなどや、最底辺の人たちが生活するひどい街だったそうです。

苦界と呼ばれていました。



江戸時代 難波は港町で、今賑わっている千日前あたりに公開死刑場がありました。

公開処刑のたびに多くの人があつまり、道頓堀付近に見世物小屋や芝居小屋ができ繁華街に発展したのです。 その奥に庶民的な色街が連接していたそうです。



確かに、神社の近くに色街が存在するのはよくあることですが、これほど隣接している神社はないそうです。さらに、お墓や寺も隣接ししています。非常に特殊なロケーションなのです。現在もその痕跡があります。

昔のピンクで囲まれた場所は、「穢れ(けがれ)」として、どうしようもない運命に翻弄された(女)人たちの街(現在は違うでしょうけど)で、すぐ隣接する お寺群・墓場群は死後の世界・闇なる世界でした。

つまり、穢(けがれ)とある意味、忌み嫌う死後の世界の接点「聖なる地」として「生國魂神社」が存在する理由があったのだと思います。

穢れの世界に生きる、救いようのない人たちの祈りの場、生まれたときからの穢れた運命や宿命を断ち切ってくれる神への祈り、そして来世に救いを求めるお寺群への接点としての役割があったのでしょう。

そのために、どうしようもない最底辺の衆への祈りをとげるために、神々の集合も必要だったと思います。

2700年の間、店主・商売人は、商売繁盛を祈願し、女郎は穢れを断ち切る縁切りの祈り、いろいろな人たちが、摂津(広域の大阪)の國に生きた魂を鎮魂し、死後も鎮魂の神として生國魂神社は大阪の最も高台からひっそりと鎮座しているのだと思います。

 

穢(けがれ)と貴賤の混沌の中心としての聖なる地こそが「生國魂神社」で場所柄もありますが、観光地としては、そぐわないのだとおもいます。

一度、そのような理解の上で、参拝すると、けばけばしいラブホ街風俗街や墓場の山も、じつは自身の中に内在する混沌として存在していることに気が付き、自身に内在している「穢れ、卑しさ、尊さ、貴なるもの」に気付かされ、参拝後はそういう 自己に渦巻く 混沌なるもの が洗い流され、ラブホ街も、ホテヘル嬢さへも、人の営みとして 愛おしく思えるようになると思います。
 

そうでなければ、単なる観光できた人が、参拝後、なんと穢らわしい卑猥な街だろうとしか見えないし、観光気分もさめると思います。なんて大阪は、穢らわし街なんだと・・・

 

ましてや、外国の観光者には来てほしくない場所かもですニヤニヤ
 

本当に苦しい人、縛られているなにかから縁を切りたい人、きっと祈りは通じるので、下調べをしていくといいと思います。

2700年の歴史を誇る 大阪最大のパワースポット 「いくたまさん」詣ではいかがでしょうか?

えっ!! 参詣後に風俗に行きたいって!!爆  笑  あんたも好きねぇラブラブニヒヒ