歯科の先生や家族の方から、口臭症患者(自身の口臭に深刻に悩む人)にどう対応し、接したらいいのかわからないという質問を受けます。
少なからず、メンタルがかかわる問題については、医療面接(カウンセリング)が重要となります。
このシリーズでは不定愁訴について考えていきましょう。
不定愁訴という言葉を聞かれたことがありますか??
不定愁訴(ふていしゅうそ)は、臨床用語で、患者からの「頭が重い」、「イライラする」、「疲労感が取れない」、「口がいつもくさい」「喉がいつもねばつく」「よく眠れない」などの、「なんとなく体調が悪い」という強く主観的な多岐にわたる自覚症状の訴えがあるものの、検査をしても客観的所見に乏しく、原因となる病気が見つからない状態を指します。
その結果、歯科・耳鼻咽喉科・内科を受診しても「問題ありません。気のせいではないか?」「ストレスかも?」「自律神経障害?」「精神的問題?」という風に医療機関も患者もさまよい続けて「医療難民」となり、多くは精神科に紹介されっぱなしになります。
ドラマ「チームバチエスタの栄光」で伊藤淳史が演じていた「田口公平」は、東城大学医学部付属病院神経内科学教室「不定愁訴外来」の責任者でしたね・・・
「不定愁訴外来」は、一見、訳のわからないことを訴える科で、「田口」先生の名前をもじって、ドラマでは「愚痴外来」と呼ばれていました。
時に患者の訴えは、「愚痴」に聞こえるからです。
誰からも理解されない、わけわからない、本当に困っている患者に田口先生は寄り添いつつ人間味あふれる演技が印象的でした。
この、不定愁訴は、耳鼻咽喉科、歯科は非常に多いのです。
とりわけ歯科領域は多いのです。
歯科や耳鼻科領域では、患者は不安となる感覚を持ちやすいからです。
口臭症における不定愁訴はどんなものでしょうか?
本当に原因や問題はないのでしょうか??
どう向き合えばいいのかは、どうしたらそんなに悩むのかがわかれば、突破できるはずです
患者の訴えと、「不定主訴」とされる根拠についてまとめます。
青書きは私のつぶやきです。
1)自分が会話しようとすると、避けられたリ、口に手を持っていかれたり、鼻をすすられたりする。よって、常に口臭がある。(ほぼ100%の訴え)
多くの医師や歯科医師は、訴えそのものを「関係妄想」「関係念慮」として精神疾患と結びつけます。
相手のしぐさが気になる人は一般の人も、程度の差はありますが、一瞬 気になることが普通ですが、言葉にすると精神疾患を疑われます。
確かに、相手のしぐさは私も気になることがあります。
誰かに言えば「気にしすぎ」と言われるから言わないけど・・
これは、確かめないといけない
でも、聞けないわからないことについて悩めば仕方のないことなのではないだろうか
2)フロスや歯ブラシが臭い、鼻をかむとティッシュが臭い、よって口臭がある。
そこに臭い歯垢があったり、炎症産物があったりすると、臭いはずで、それは口臭の原因の一つになっているのかもしれない
3)寝起きや、食後、喫煙後、学校で、会社で、人混みで、夕方に、疲れたときに、生理前に、いつも 自分の口臭を感じてしまう。ゆえに、常に口臭がある。
健康な人に起こる生理的口臭だからは、自覚するし、距離によっては十分相手を不快にしているけど、それについては何もしなくていいのか??
生理的口臭も起こりやすくなれば問題ではないか??
これは患者の言い分が正しいと思う。
4)口の中に変な味を常に感じる。「酸っぱい感じがする」「苦い感じがする」ゆえに口臭がある。「酸っぱい口臭や苦い口臭がする」
口が酸っぱいときは、酸ができているから酸っぱい口臭を感じることがあるが?
無口な口を続けると、口臭ガスが飽和状態になって苦いはず、そんなときにしゃべったら、臭いのではないか?
5)口の中がネバネバするよって口臭が起こっているはず。
ネバネバしたら、口の中は汚染して臭くなるのではないか?
6)口の中や喉がカラカラする、よって口臭がある。
運動の後など炎天下でマラソンした後とか、口がカラカラのときって確かに口が臭いですよね??
7)人混みや満員電車で呼吸がしんどくなる時、唾をうまく呑み込めなくなったとき口臭がある。
私も人混みや、満員電車は嫌で息が詰まりそうな時があります。口臭があるとは思わないですが、なんか口の中は気持ち悪くなるので、言われてみたら口臭が起こっているかもですね
どうでしょうか??
もしも、あなたの愛する人が、あなたにとってはどうでもいいようなことについて不安を訴えてきたら。
「気にしすぎ」とやり過ごせますか
まずは、その人のキャラクターになりきってみて、その人の感じている感覚を想像してみて、その人が見ている世界を想像してみるといいでしょう。
そうすれば、少なくとも、治せなくても、解決に導けなくても、その人の不安な心に寄り添ってみることはできるはずです。
そうすれば、悩んでいる人は、少しは救われないでしょうか
医療カウンセラーとしては、訴えをありのままに受け入れ、想像してみて、苦しみや悩みを少しは共有できたとき、はじめて、寄り添えるようになるのです。
そして、医学的にそのような問題のこるメカニズムをクールに考える必要があります。
これは患者にはできないことですから・・・
次回は、どうして耳鼻科・歯科的領域の不快な不快感は精神がおかしくなるほど問題を起こしていくのかについて解説しましょう。
多くの人が気にする「口臭」だが、その研究が本格化したのは1990年代以降のことと意外に新しい。
現在の日本で、口臭ならびに口臭症治療についての第一人者が本書の著者・本田俊一氏である。
国家公務員から歯科医に転身した著者が出会った「口臭に悩む患者」。しかし、その患者が訴えるほど、ひどい口臭はない。だが、それをきっかけに「口臭」研究に取り組み、やがて「口臭症という病」に悩む患者の治療法を確立。治療の現場に立ち続けるとともに後進の育成にも尽力している。
他人の口臭は、そのとき不快だとしても、その相手と話が済んでしまえば、そこから逃れられる。だが、自分自身の口臭は常につきまとい、それが「気になる」から「悩み」になってしまうと…口臭症の可能性が高い。
本書では、そもそも口臭とは何か、口臭の発生するメカニズム、口臭症という病、最新医療情報、そして口臭の予防法、口臭に関するQ&Aまでを網羅。
口臭ひとつで百年の恋が冷めることもある。「たかが口臭、されど口臭」…気になる方は、ぜひご一読いただきたい。
内容(「BOOK」データベースより)
口臭は歯磨きで消せると思っていませんか?日本における口臭および口臭症治療の第一人者である著者が15年以上にも及ぶ研究・治療の成果を一挙公開!口臭の原因、最新医療情報、口臭症の治療法、口臭予防を網羅。じつは「歯磨きだけが口臭対策」とは限らない!口臭が気になる人も不安な人も、歯科医療に携わる人も必読の1冊!
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