ココアに浮かべるなら生クリーム?マシュマロ? ブログネタ:ココアに浮かべるなら生クリーム?マシュマロ? 参加中
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ボリビアでプロジェクトはあっさり行き詰まり、チチカカ関と掴み合いのケンカまでしてもーやってられるかこの野郎!と、いきなりエクアドルに逃亡しちゃったんですが。

そこで以前いたことのあるレジデンシアに戻って、何をするでもなくぼーっと暮らしていたときに、スペイン語学校に通っているカナダ人男性と知り合いまして。

なぜか彼はものすごくわたしのことを気にかけてくれて、みんなでコトパクシに行くけど一緒に行かないかとか、オタバロのインディヘナマーケットに行こうとか、週末のお出かけによく誘ってくれたりして。わたしはその3年前にエクアドルで暮らしていたときに大概のところにはもう行っていたので、ほとんどお断りばかりしてたけど、普段の学校のある日は彼の宿題をみてあげた後、一緒に夕食をとって、遅くまでDVD見たり話し込んだりしてたなあ。

ラパス(3700m)ほどではないとはいえ、キトも標高が高い(2800m)ので、夜になると「ここ本当に赤道直下かよ!」ってぐらいに冷え込むのね。昼間はTシャツ1枚でいいんだけど、夜はセーター着て靴下2枚重ねでもガクブルで、一緒にDVD見てるときも、わたしは部屋から毛布を引っ張り出してきてグルグル巻きになりながらでしたわ。

彼はというと、さすがカナダ人(しかもノルウェイ系)、寒冷地仕様なのか全然平気なようで、わたしが寒い寒いと言っている横でフツーにTシャツで裸足だったりして、寒くないの?と聞いたら

「イヌヴィクはもっと寒かった」

だと。

彼はキトに来る直前まで、北極圏のイヌヴィクで2年間研究調査をしていたそうで、あーそりゃ平気だよな。とはいえこちらは真夏の日本からやってきたわけで、そんな話なんて聞いたところで寒いことに変わりはないんだってば!!

あまり寒がっているわたしを見て不憫に思ったのか、彼が毎晩わたしにココアを入れてくれるようになり
そしてそのココアには必ずクリームがてんこ盛りにされていて
「エボリが寒いのはフラキッシマ(やせっぽち最上級)だからなの。太れば寒くなくなるよ」
肥育ですかそうですかw

そんな感じで約3週間、彼とは一緒にいて。
彼は時々わたしをお姫様抱っこや高い高いして(なんせ身長2mあったんで)体重チェックしたりw
夜になれば毛布グルグル巻きのわたしを横に置いてスペイン語トレーニングをし
彼はカナダでも英語圏の人だったので、スペイン語を覚えるのは大変だったらしく(これがフランス語圏の人だったらずいぶん楽なんだよな)普段の会話からもうグジャグジャのスペイン語で一生懸命話すもんで
「大変だったら別に英語使ってもいいよー」と言っても、頑としてわたしとの会話はスペイン語を貫き通しておったw

わたしも彼にはずいぶん助けてもらった。
ボリビアでは疲れきってしまっていて、もう全部投げ出して日本に帰ってしまおうかと思ってたんだけど
毎晩彼がクリームオニ盛りのココアを持ってきて、二人並んで飲みつつぽつぽつと話をしながら
「もう一回、戻って一人でも頑張ってみようかな」と、何とはなしに思えるようになってきた。

わたしがキトを発つ日、彼が朝食にカナディアンパンケーキを作ってくれて
その後二人でパネシージョの丘に行った。
今日で最後なんだなあ、としみじみキト市街を見下ろして、隣にいるでっかい彼を見上げた瞬間
一眼レフで写真を撮られたwよりによって、いや、寄りに寄ってだあんまりだww

その夜空港で彼と別れたんだけど
「これからまたラパスでstruggleだわ」とわたしが言うと
「僕もエボリと同じ、12歳からずっとstruggleしてるよ。あ、スペイン語でなんていうの?」
「luchar か forcejear かな。lucharは何を求めるかわかってる場合、なんだかわからないときがforcejear」
「じゃあ僕はまだforcejearだ」

彼にまた会うことはないだろう、でも
お互いものすごく不自由な言語を介してでも、とにかく話さずにいられなかったのはどうしてだろう?

!Ay, como eres!

今思えば、恋をしてたのかもしれないな、なんて。