トランプ大統領がコロナ（Covid-19）で中断していた選挙集会を再開することを発表し、最初のキャンペーン場所に選んだのが、オクラホマ州タルサ。

なぜこれが話題になっているのか？

オクラホマ州タルサでは99年前の1921年6月にタルサ人種暴動が起こった。アメリカの歴史上最悪の人種暴動と言われるこの暴動で命を落とした人は150人とも300人（その大半は黒人）とも言われているが、はっきりとした数字は分からないまま。タルサのグリーンウッドという地区は当時「ブラック・ウォール・ストリート」と呼ばれ、黒人コミュニティとしてはアメリカで最も繁栄していた。5月末の休日、19歳の黒人男性が17歳の白人女性に暴行を加えたとして逮捕された。（のちに行われた調査と報告書で、この出来事は単純によろけてぶつかってしまったか、ちょっとした言い合いにすぎなかったと言われている。）怒り狂った白人市民が数百人単位で男性が拘束されていた裁判所に押しかけたことから、この男性がリンチされ殺害された、もしくはリンチが行われるという噂がグリーンウッドで広がった。その後、武装した黒人男性グループが裁判所に現れて、銃の撃ち合いとなり、８人の白人及び2人の黒人が亡くなった。

その夜、KKKのメンバーを含む白人集団がグリーンウッドで暴動を起こし、ビル、店舗、民家を放火していった。さらには飛行機から爆弾が落とされた。2日間の暴動で、この地域に住んでいた1万人の黒人が家を失い、グリーンウッドの繁栄は跡形もなく消えてしまった。

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トランプの集会が行われる６月19日は”Juneteenth”、別名「自由の日」。奴隷解放宣言後に最後まで抵抗していたテキサス州が奴隷解放を実施し、アメリカ全ての州で奴隷が解放された日。共和党支持者が多いオクラホマ州では、2016年同様トランプが勝利するだろうと言われている。トランプがなぜこの時期にこの地でキャンペーンをすることにしたのか、また人種差別的発言の多い同氏がどのような演説をするのだろうか。

このTulsa Race Riotに関して色々なドキュメンタリーが出ているが、つい数日前にヒューストン・ロケッツで活躍するNBAのスター選手Russell Westbrookが新たにこの暴動に関するドキュメンタリーをプロデュースするという発表をして、話題になったばかり。Westbrookは昨年までオクラホマシティのチームの選手として活躍していた。（ESPNの記事）

Westbrook to produce series on Tulsa massacreRockets guard Russell Westbrook is producing a documentary series about the 1921 Tulsa race massacre, Variety reported.

https://www.espn.com/nba/story/_/id/29290054/rockets-russell-westbrook-produce-docuseries-1921-tulsa-race-massacre

ドナルド・トランプが次の選挙集会に選んだオクラホマ州タルサとは