『ガラスの仮面』ファンの皆様、美内すずえ先生、ほかご関係のある皆様・・・ごめんなさい。
前回の記事のイラストは、今回の複線でした。
もう、絵を見た瞬間に、すぐにパピィと北野くんを想像しちゃってました。
と言う訳で、今回は岡田あーみん作品について。

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遠い昔の話。夏休みの帰省の際、年下のいとこから『りぼん』の別冊付録をプレゼントされた。それは『おとうさんは心配症』をモチーフにしたアドベンチャーブック(Aの行動を選択するならaページへ、Bならbページへと読者の選択によって物語が進行する本)だった。だが、教育ママゴンとして君臨していた母上が「みおには不要です!」と、本人のいないところで返してしまったらしい。

えーーーん、母上のばかばかばかばか。コミックスにも収録されていないこのゲームブックゥ~。とても悔やまれる・・・。
※おぼろげな記憶によると、主人公は北野くんとして典子に気付かれぬように、(なぜか)2人のパピィの猛追撃を交わしながらデートを遂行するという、一見とても難易度の高そうなストーリーだった。

そんなゲームブックから知った岡田あーみん。Amazon で本を検索してみると、全ての作品の評価がほとんど満点だった。今でもファンが多いのね。良かったー。私も今でも、とりこでござる。そんな訳で今回はあーみん作品をご紹介する。

■『お父さんは心配症』■
デビュー作であり代表作でもある。あーみんファンというと、まずこの作品のファンということだろう。
男手一つで高校一年生の一人娘を育て上げた父親(かわいく”パピィ”と呼ぶ)が、娘とその彼氏の交際を「まだ早い」ということを理由に反対して、執拗に邪魔をする・・・というストーリー。邪魔するっていうか、一緒にデートを楽しんじゃうんだよね、パピィ。

ベタベタでコテコテな大阪らしいギャグと、時折きわどくなりすぎるネタが飛び交う。第一回を描いたのは、あーみんが16、7歳のときらしい。80年代のアイドル好きらしく、たまに登場する芸能人が非常にアイドルアイドルしてるのが、とてもおかしい。(歌しかり、芸名しかり、格好しかり・・・でもお陰で、♪にっちもさっちもどーにもブルードッグ♪を覚えた/笑)

ちなみにこの漫画、1994年の春にテレビ朝日系でドラマ化されたことがある。配役は、パピィに大地康雄、典子に持田真樹、典子の彼氏・北野に国分太一、安井さんに美保純だった。

ドラマの方は、残念ながら今ひとつな内容・・・。
その理由は、キャラクターの性格が原作とは違いすぎたことにある。典子はパピィに妙に挑戦的だし(カラオケでデュエットする様をわざとパピィに見せつけたりする)、安井さんは単なる通りすがりのように存在が薄かった。パピィも追跡くらいしか、異常振りを見せてくれないし、最終回まで見た気もするが記憶にない。

■『あーみんの好き放題劇場』■
『お父さんは心配症』が大団円を迎えて、充電期間という名の漏電期間中に連載された全5回のいきあたりばったり企画の連載。第1回と第2回はあーみんのことについて。第3回は『心配症』のキャラクターと一緒にクイズ大会。第4回と第5回はあーみんの好きな怖い話という内容だった。私はこの怖い話特集に、お腹の皮がよじれるかと思われるほど笑わされた。

特に爆笑したのは、あーみんのひいおばあちゃんのお話。あーみんのひいおばあちゃんは霊媒師で、いろいろな人が相談に訪れるほどその能力はすぐれていたと、あーみんの母は言う。だが戦時中に、アメリカ軍による照明の光を、「天からの光じゃ」と村の皆に聞かせ、ひいおばあちゃんの言葉を信じた村の人たちが、照明の光の中を一斉に走り出すと、その鼻先や足元すぐに銃撃をあびる。「立ち止まるな。光が消えてしまうぞ。ったー」と村人を急かすひいおばあちゃん。・・・霊媒師を相手には逆らいづらかったという村の人たちの心中、察してあまりある。(笑)

ここでクイズ大会の回に、あーみんから出されたクイズを1つ。『お父さんは心配症』のキャラクターで最もおかしいのは誰か?答えは本文の一番下に。

■『こいつら100%伝説』■
担当者さんが異常なほどの忍者好きだったということから企画されたお話だそうだ。
※『心配症』の守くんが忍びの者という設定も、この担当者さんの熱い要望だったとか。

時は戦国時代。命を狙われた、あるお城の姫君が武術などに長けた和尚の元に身を寄せる。その和尚には3人の忍びの弟子がいて、3人とも姫に恋をする・・・というストーリーだが、命を狙われていたという初期の設定はあっという間に忘れさられる。(笑)

あーみん、ついに絵を描くのがキライになったか?と思ってしまうくらい線が太く、描写もこざっぱりしてる。作者自らが言ってるように、トーンも極丸(弟子の1人)の忍者服くらいしか使われていない。

『心配症』に慣れた人には「パワーダウン?」と首をかしげるむきもあったが、読んでいくうちに「これはこれでアリかも」と思わせられるのは、「歴史物なんて分からん」という作者がターミネーターだったり、男好きシスターズだったり、様々な要素を登場させているからか。ちなみにターミネーターの登場の回には『心配症』のキャラクターも登場する。

3人の忍者という設定が、NHKの『忍たま乱太郎』を想起させるため、私の中では極丸の声は田中真弓さんだ。

■『ルナティック雑技団』■
初めてその絵柄を見たとき、「あーみんがギャグ漫画を辞めた・・・」と涙が出そうになった。線が細く書き込みが細かい。そして、トーンもバリバリにはられている(!)という画風の変化に、私ばかりではなく全国のファンが泣いたと思われる、と勝手に推測する。

普通の女子中学生・星野夢見は、両親の海外転勤をきっかけに、憧れの男子中学生・天湖森夜の家に下宿することになり、心が弾む。だが、森夜は学園中の憧れであるがゆえの学校中の女生徒からの嫉妬と、森夜を溺愛しすぎる異常な母親のねたみとそねみ、学園のアイドル・愛咲ルイによる求愛と、森夜本人の不思議な行動に翻弄されっぱなし・・・。って言うか、今回は主役の夢見も妄想癖のある変な女の子だし。やっぱりここはあーみんワールドだと、認識させられるストーリーだ。未読の人には、上記2作品の毒が抜けた頃に、そっとおすすめしたい。

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クイズの答え:典子。「これだけおかしいキャラクターが集まっている漫画の中で、ただ一人ひとコマ残らずまともだったから。環境に左右された北野の方がマシだ」とのあーみんの弁。