昔の武士は朝早くから道場に出て血のにじむような稽古にはげんだという。
そして師範や先輩たちの木刀を身にあびながら、
何くそと立ち向ううちにおのずと腕も上達していった。
また商人であれば、
丁稚奉公からつとめはじめ、
主人や番頭に横っ面の一つも張られながら、
おじぎの仕方からものの言い方まで一つ一つ教えられつつ、
商人としてのものの見方、
考え方を養っていったわけである。
もちろんそのような修業の過程には、
好ましくない面もあったであろう。
しかし、少なくともそうした厳しい修業が人を鍛え、
その真価を発揮させる上に役立ったと思う。
それは今日にも通用することであろう。
松下幸之助「1日1話」より
