人間に寿命があるように、
われわれの仕事にも、
それがいつのことかわからないにしても、
やはり一つの寿命があると言えるのではないかと思う。
しかし、だからといって、努力してもつまらない、
と放棄してしまうようでは、
人間言うところの天寿を全うせしめることはできない。
これはいわば人間はやがて死ぬのだからと、
不摂生、不養生の限りを尽すのと同じであろう。
それよりもむしろ、いっさいのものには寿命がある、
と知った上で、寿命に達するその瞬間までは、
お互いがそこに全精神を打ち込んでゆく。
そういう姿から、大きな安心感というか、おおらかな人生が開けるのではないかと思う。
松下幸之助「1日1話」より
