「この観音さまはノミがつくってくれた。





自分は何も覚えていない」





というのは、





版画家、





棟方志功さんの言葉である。





私はたまたまこの棟方さんが観音さまを彫っておられる姿をテレビで拝見し、





その仕事に魂というかすべてをつぎ込んでおられる姿に深く心を打たれた。





一つ一つの体の動きが意識したものでなく、





まさに





“夢中の動き”





とでもいうか、





そんな印象を受けたのである。





その姿から、





人間が体を動かしてする作業というものの大切さをつくづくと感じさせられた。





機械化に懸命な今日だか
らこそ、





魂の入った作業というものの大切さを、





お互いに再認識する必要があるのではないだろうか。


<松下幸之助一日一話より>