ichiwa2.jpg
私の宅の近くに水のきれいな池がある。





水面に周囲の樹々の姿を映し、





まことに風情がある。





ところがこの池がひところ雨が降らなくて、





底の大半を露出してしまうまでになった。





映すべき何物もなく醜い底を露呈するばかりである。





美の反面には醜がある…





そんな思いである。





お互い人間も、





これと同じことではなかろうか。





美と醜とが





相表裏しているところに、




人間の真実がある。





とすれば、




美の面のみにとらわれて、




その反面の醜を責めるに急なのは、





人間の真実というものを知らないものである。





暖かい寛容の心を持って接し合うことが、





お互いに明るく暮らすための、





一番大事なことではなかろうか。



<松下幸之助一日一話より>