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後漢の時代に、





高潔をうたわれた楊震という政治家がいた。





この人がある地方の太守として赴任していったところ、





たまたま以前に引き立ててやった王密という人が夜分に訪ねてきて、





大枚の黄金を楊震に贈ろうとした。





楊震が受けとるのを断わると、





王密は





「こんな夜中で、この部屋には私たち2人しか居ないのですから、誰にもわかりませんよ」





と言った。





そのときに楊震は





「誰も知らないと言うが、君と私自身が知っているではないか」





こう言ったという。






他人が知っているということよりも、





まずみずからの心に問うて、





やましいところがないか、





公明正大であるかということが大切だと思うのである。



<松下幸之助一日一話より>