俺は自分のルーツを知りました。
父が漁師だったことは知っていましたが、阿波船団という伝説の漁師集団だったことは知りませんでした。
元々は阿波の日和佐に住んでいた父は、新たな漁場を求めて一攫千金を狙い、長崎へ移住したのでした。
まもなく時代は戦争へ。父も軍から徴用されました。
船長だった父は微用船を操縦、
機雷の掃海作業中に触雷して爆発事故。
共に乗り込んでいた兄を父は亡くすのです。
それを境に、戦後父は漁から戻ると、罰金を払ってまで宴会を欠席し、
家で家族と過ごしました。
子供の頃は大好きな母を取られた気がして、父が漁から戻るのを嫌っていた俺です。
一緒に暮らしていた頃の父は、
ファミリーヒストリーで見た果敢な父のイメージではなく、
口数の少ない穏やかな人でした。
俺はファミリーヒストリーを観てから、
初めて父の家族に対する深い愛情を感じました。
父の偉大さを俺は全く見えてなかったのです。
父ちゃん、ありがとう。
姉ちゃんも兄ちゃんも俺も、父ちゃんの子で幸せだったと思うよ。