<シネマミシュラン採点>
★1つは、退屈でついてゆけない。
★★2つは、何とか観たけど面白くなかった。
★★★3つは、普通に観られてまぁまぁである。
★★★★4つは、とても面白い、ぜひ皆さんにもおすすめしたい。
★★★★★5つは最高で、こんな素晴らしい映画は観たことない、大感激。
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松本清張原作の「ゼロの焦点」、とても面白かったです。
ミステリーとはいえ、全体的には社会派モノと言っていいかと思います。
禎子(広末涼子)は、お見合いで憲一(西島秀俊)と結婚します。
お見合いとはいえ、二人は共に相思相愛のように思えます。
結婚して1週間が経ったある日、憲一は仕事引継ぎのため、
以前の勤務地である金沢へ出張します。
しかし出張から帰るはずの日に、憲一は自宅に戻らないのです。
憲一の兄は、
「なに、そのうち戻ってくるよ。連絡も寄こさず、寄り道するタイプだから」と
禎子を勇気づけますが…。
何かあったに違いないと、
禎子はひとり金沢へ憲一探しの旅に出る決心をします。
そして憲一の勤める会社、
憲一が得意先として懇意にしている煉瓦会社の社長やその夫人(中谷美紀)、
その会社の受付嬢(木村多江)らと会います。
そのうち憲一の兄も金沢へ来て、話はよりミステリー風に展開、
ついに殺人事件の発生です。
憲一はなぜ禎子と結婚したのか?
犯人はなぜ何人もの人達を殺さなければならないのか?
それらの謎がひとつひとつ解けていく度に、
戦後まもない日本の貧しい生活が浮かび上がってくるのです。
夢と希望に向かって生きていく上で、
汚れた過去を消さなければならない悲しい女性達の物語です。
中谷美紀のラストの表情や語りに鬼気迫るものがあり、
とてもいい演技でした。
この映画の中で、一番心に残った役者です。
★★★★★(星5つです)
監督は犬堂一心。実はこの監督の映画は初めて観ました。
私は野村芳太郎監督の「ゼロの焦点」も好きですが、
この映画も素晴らしいと思いました。