<シネマミシュラン採点>
★1つは、退屈でついてゆけない。
★★2つは、何とか観たけど面白くなかった。
★★★3つは、普通に観られてまぁまぁである。
★★★★4つは、とても面白い、ぜひ皆さんにもおすすめしたい。
★★★★★5つは最高で、こんな素晴らしい映画は観たことない、大感激。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
木村大作というカメラマンがいる。70歳の名カメラマンである。
彼が初めて監督も勤めたという「剱岳 点の記」を観ました。
観る前の印象としては、
名カメラマンだけに、山などの自然はきっと美しく撮るだろう、
しかし人間の描写はどうなんだろう、
美しく見せることが優先して、
ドラマの部分は退屈してしまうのではないだろうか、
そんなことを思っていました。
ところが全然そうじゃなかったですね。
むしろ山を忘れてしまうぐらい、
それぞれの登場人物の葛藤がよく描かれていました。
物語は日露戦争後の明治39年。
陸軍測量手の柴崎芳太郎は参謀本部に呼ばれ、
「陸軍の威信にかけて、剱岳の初登頂と測量を果たせ」と命じられる。
一方で、日本山岳会も未踏峰の剱岳に挑んでいた。
地図完成のために陸軍の命を受け、剱岳に向かう柴崎ら7名。
そして小島烏水が率いる日本山岳会の5名。
果たしてどちらが先に頂上へ到達するのだろうか?
それともどちらも頂上へは行けないのだろうか?
こういう風に2組を競争させたというのが、面白くなった要因になっています。
CGはなく、スタッフも俳優も何時間も歩いて山へ行き、
撮影していることは観て分かるし、迫力も伝わってきます。
後半、山へ登ることの大変さを感じ、
いがみ合ってた陸軍測量部と日本山岳会が仲良くなっていくシーンで、
私も涙してしまいました。
そして主演の浅野忠信は本当にいい役者だなぁと、しみじみと思いました。
★★★★☆(星4つです)
エンドロールに、
出演者やスタッフの名前が仲間たちという表記で流れてくるのだが、
そこには出演者・撮影・照明・監督といった表記が出てこない。
これは木村大作さんが、
どうしても監督を名乗るのが照れ臭かったからじゃないかと
思ってしまうのだけど…。
<6月28日・平和島シネマサンシャイン・9時30分の回>