(日経ナビHPhttp://job.nikkei.co.jp/
より)
ようやく企業業績が回復し景気が上昇軌道に乗りつつある日本であるが、
学生の就職戦線はバブル崩壊前に逆行する現象が起きているという。
2007年の大卒就職市場は、売り手市場を背景に最近までのベンチャー企業へ
の就職や起業志向から、旧態依然とした大企業志向に戻っているという。
(以下「日経ビジネス」10.9号」から)
就職サイト「日経ナビ」の調査では、大手企業を中心に就職活動を行う学生が、
05年卒から3年連続増で、「規模」「安定性」を重視し「挑戦的」「発展性」
などに魅力を感じなくなっているという。
その背景には、最近の学生が親の顔をみて、特に母親が喜ぶ大企業を選択する
悲しい「マザコン」現象があるようである。
確かに学生が自分の将来を直視することは難しい。その為に「大手企業で
数年経験・専門知識を身に付けたい」には理解できるが、むしろ大切なのは
その就職後であろう。
世界的な発明である青色発光ダイオードの開発・実用化に成功し、その業績の
対価支払いで在籍当時の日亜化学工業に裁判を起こし、現在米国の
カリフォルニア大学サンタバーバラ校教授の中村修二氏は、今日の朝日新聞の
シリーズ「仕事力」でこう語っている。
会社員は、実績を積み上げていい仕事をしながら数年単位で、この会社から
スピンアウトしたらどうかと考え、会社に「これほど実力があるのに
他に移られたらは困る」と認識してもらうべきという。一生に一度や二度の
退社で(特に研究者は)「茹でガエル」状態から脱出すべきという。
また、昨年11月、3期12年務めた宮城県知事を退任した浅野史郎氏は
「知事の仕事は回転ずしのように向こうからやってくるものばかり」に危機感を
覚え勇退したという。(本日付日本経済新聞)
つまり、12年が普通の人間に戻れる期間の限度で、自分の能力や努力を正当に
経済的に(収入)評価されたからかったが、転職の理由でもあるという。
今日の転職時代にも拘らず、採用基準に「転職回数は○回」と掲載している
企業があるが、本当の自分の天職探しや自分の価値の売り込みであれば、
全く問題なく、これを一律の採用基準にすべきでなしと考える。
このような時代錯誤の採用基準が、学生の大企業志向の誘因にもなっている。
自分の経験からも、大企業には優秀な人材も豊富であ、尊敬できる経営者にも
恵まれる環境にあるが、中村氏や浅野氏のように常に自分の価値の向上と
「井の中の蛙(かわず)」になる前に一段上の会社や起業にチャレンジ
できる社会に日本がなるべきと考える。
