稲盛 和夫
アメーバ経営―ひとりひとりの社員が主役

アメーバ経営と「盛和塾」というと京セラの名誉会長・稲盛和夫氏が

浮かんでくるが、今月その門外不出のアメーバ経営の本「アメーバ経営―

ひとりひとりの社員が主役」を出版させた。

詳しくは是非本を読んでいただき理解していただきたいが、稲盛さんは

その経営哲学を今週の「日経ビジネス」でも力説されているので

そのエッセンスを挙げてみたい。

まず、日本の企業はようやく回復してきたがバブルの崩壊で戦後60年を

かけてきた内部留保の多くを失い、再度の失敗は許されないという。

しかし、最近のTOBのように「闘争心の矛先を競合に向けるのでなく」

自分が生き延びるために戦え」と。京セラの高収益体質は必死に

生き延びようと努力してきた結果であるという。

企業の競争力は、「明確で誰もが共感できる哲学」をもった経営者に

社員全員が同じ気持ちになるつまり「ベクトル」が揃っているからで

決まるという。

そして、昨今の「成果主義」については、考え方や哲学を会社全体で

共有せずに安直に飛びついているのが一番タチが悪く「ぶつぶつ社員」を

生むだけであるともいう。

京セラが、成果主義を導入しない理由は「会社はみんなが幸せになる場所

であり、「いい業績や部門は、そうでないところを助けて引き上げる」との

哲学によるという。

最後にアメーバ経営の目的のひとつは、社内の全員に経営への参画意識を

持ってもらい、一人でも多くの経営的視点をもった人を育成することである

という。

この稲盛さんのアメーバ経営に賛同する「盛和塾」の経営者は4200~

4300人で彼らの合計売上高は約22兆円、経常利益は約1兆円そして

従業員は100万人近くだそうである。宗教色のない「稲盛教」である。

稲盛さんは私財を投入し「京都賞」の創設や「盛和塾」での若手経営者の

育成と、松下幸之助さんに続く「戦後日本の代表的経営者」であり

利他の人」であるが、世の中に実に「自利」「私欲」のみの経営者

多いことか?

関 満博
二代目経営塾