日本の企業はここ数年「世界の工場」といわれる生産力と市場の大きさに中国を最重要視してきたが、どうやら隣国の韓国をもマークしなければならないようである。
なかでも躍進するサムスンである。高度成長期の日本の企業が持っていた「熱狂と結束」の人力経営を展開し日本企業の脅威となっている韓国サムソンを「日経ビジネス」8.7-14号が取り上げている。
中核に半導体や液晶で急成長するサムスン電子をもつサムスングループの勝因は
グローバル規模の「人」の流動であるという。
サムスングループ25社20数万人を教育する人材教育の総本山「人力開発院」は、
「21世紀のグローバルサムスンを支える人材を養成する仕官学校」で新入社員の研修のほか、職位別研修、将来の幹部養成、海外で活躍する「地域専門家」養成の国際化プログラム等多様な研修が「人材第一」の創業経営理念の下実施されている。
サムスン電子が売上の約85%、利益の90%を海外に依存していることからも、国際化プログラムに最も力を入れているという。
サムソン電子は、世界の市場を
・ 先進国市場 ―米国、欧州、日本
・ 戦略国家市場 ―中国、インド、ロシア等
・ 重心国家市場 ―フランス、イタリア等
の3つに分け、それぞれの市場でトップシェアを獲得する長期的な攻略ロードマップを
描いているという。その担い手が「国際化プログラム」で養成されるわけである。
サムスン財閥と並ぶ現代財閥の中核・現代自動車も、20数前米国で日本車と競争する低価格小型車を鳴り物入りで投入したが、頻発する故障で「米国進出」を諦める時期もあったが、今や性能の向上で大きく飛躍しトヨタ、ホンダのライバルとなっている。
バブル崩壊後、メガバンクでも昔実施していた充実した研修を無くしたり期間を短縮したりし社内外研修をおざなりにしてきたが、日本企業は今改めて韓国のサムスンを見習わないと世界市場で戦えなくなると懸念する。
日本で、社員が財産であるとして経営理念に「人財」を掲げる企業が多いが、サムスンのように素直に「人材」として社員の待遇改善やキャリア養成を図る企業が余程いいと思う。
「韓国ではサムスンの社員らしいと言われるのが一番うれしい」が象徴的である。

