　蝦読weeklyです。

ドストエフスキー著　『カラマーゾフの兄弟3,4,5』
　一気に読み切りました。重厚で難解な1,2から一転、エンターテインメント性に富む後半戦。長兄ミーチャの奔放さ、父の死、次兄イワンの苦悩、そして裁判劇。話は大きく動き、目まぐるしく入れ替わる構成と展開にグイグイと引き込まれていきます。このあたりの引き込み方がドストエフスキーの作家としてのスゴさなんだろうなぁと感服させられます。今回は2度目の読了だったにも関わらず、読み終わると大きく息を吐きだしてしまいました。そんな作品にはなかなか巡り合えません。やはり、スゴイ作品だなと心から思います。この後に続くアリョーシャの物語につながるであろうラスト、１・２部の重厚な展開と３・４部のエンターテインメント性のコントラストも素晴らしい。この後に続くはずであったアリョーシャの物語に思いを馳せつつ、しばし余韻に浸っています。
　今回は光文社古典新訳文庫で読みましたが、ネタバレ上等なら、各巻の読書ガイドや５巻の訳者解題を読んでから内容に入るのもあり。邪道と言われそうですが。

蝦読weekly 20240812～0818