　蝦読weeklyです。
　一日遅れました。
　今週読了した本はこちらです。

宮野優著　『トゥモロー・ネバー・ノウズ』
　タイムループする現象が徐々に伝播していく世界に生きる人々の姿を描く連作短編集です。
　常にその日がループする世界。記憶は残っても他はループ。そんな世界で人間はどんな行動をとるのか。この物語では性善説よりも、人間の悪の本性が根底に描かれます。ただし、各短編の主人公たちは善人となろうとする者もいれば、悪の道に走る者も。その背景をしっかり描くので、悪の道に走る者も行動原理は理解できます。SFとしても十分面白いですが、価値観によって正義が変わる人間たちのドラマとしても傑作です。

『鳥山明ドラゴンクエストイラストレーションズ』
　再読。タイトル通りです。
　私はドラクエも鳥山明さんの絵も大好きなので、この本は見ているだけで幸せです。謎を解き、モンスターに全滅させられ、エンディングを迎え……といった懐かしさがこみ上げてきます。ファミコン版の『ドラゴンクエスト』からやっているので、初期の「可愛らしさが同居する」キャラ・モンスターたちのデザインが思い出補正もあって魅力を感じます。先日本棚整理をした際に、座右の棚に置くことにしました。時折、眺めてはホイミをかけてもらうつもりです。

亀山郁夫著

　『ドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟』 2019年12月 (NHK100分de名著) 』
　2019年にNHKで放送された「100分de名著」のテキストです。再読。
　今年は『カラマーゾフの兄弟』再挑戦の予定です（もうちょっと先になるかもしれませんが……）。既読の新潮文庫版ではなく、光文社古典新訳文庫・亀山郁夫訳で読むので、同じ著書が語る『カラマーゾフの兄弟』解説を読んで復習しておこうと。作品自体は難解な長編ですが、本テキストは非常に読みやすくポイントを抑えてくれています。ページも少なく、予習・復習・解説本として手に取りやすい1冊だと思います。

蒲松齢著　『聊斎志異』（下）
　中国の怪異短編小説集。上巻は既読。
　日本で言うと『今昔物語』とか『遠野物語』的な位置づけになるのでしょうか。中国を舞台にした怪奇なテーマをまとめた短編集なので、空き時間とかに読むのには丁度よい感じです。上巻のときにも触れたと思いますが、中国の怪異なことには狐が絡むんですね。色んな形で「正体は狐」という話が出てきます。日本でも狐は「術」を使う動物として描かれる話がありますので、物語の中で人間と怪異な関わり方をしていくことにも違和感はありません。他に竜王の話があったり、興味深いテーマが多いので楽しく読むことができました。

　先週、部屋の本棚の整理をしました。
　まずは部屋の本棚からムック系の本や大型の本であまり読まないだろうと思われるものを別のスペースに移す。
　部屋には今後もよく読むとか好きな本を置いて、そこまでではない本は別室行き。
　どうやって配置するか考える。
　入れてみて、上手く収まらない。
　配置を考え直す。
　収まらない。以下リピート。
　悩む作業ですが、至福の時間です。

　部屋は雑多で散らかっています（整理下手なもので……）が、本棚はそれなりに規則性のある並びにしたい人なのです、私。
　順番逆だろとか言わないで笑。

　そうそう、この2冊。

　世界観が好きで買った攻略本でございます。
　ゲームをしたことはありません（笑）。
　ついつい整理の合間に読みふけりました。読み切ってないので読了扱いにはしてませんが。

蝦読weekly 20230604～0611