　ども、蝦読weeklyです。
　今週読了した本はこちらです。

豊田有恒著　『ヤマトタケルの謎』
　ヤマトタケル伝説について考察しています。
　ヤマトタケルの話は好きなので、書店で見つけて即決購入。「記紀」においてヤマトタケルの伝記に多くを割いている件の考察から、神功皇后の話、最後には皇室の意義にまで話が広がっていきます。確かに天皇ではないヤマトタケルの話をじっくりと感性豊かに描くのは物語としては面白いですが、違和感があるのはその通り。本著書はその意味を感じ取れる一端にはなったかなと感じます。ヤマトタケルとギリシア神話の英雄との共通点は「なるほど言われてみれば」というものでしたし、系図的にはヤマトタケルの直系が天皇になっているということは知らなかったので驚きです。
　神話には人間の想像力と創造力が秘められた魅力があります。本著書も一考察としておもしろく読めました。

佐藤勝彦著　『眠れなくなる宇宙のはなし』
　人類が宇宙をどのように受容してきたかという歴史を追いかけます。
　人類の宇宙受容史なので、神話、宗教、哲学、ガリレオやニュートンなどの業績、最近の宇宙論まで広範囲に渡って概説でまとめられています。私は宇宙の話が好きで、ブルーバックスをはじめとする宇宙関係の本も何冊か読んできました。これまで読んできた本も内容は非常に面白かったのですが、いかんせん門外漢なのでわからないことが多かったのも事実。この本は概説なので詳細な説明は少なく、著名な人物が何をしたのかということを、わかりやすくまとめてくれているので非常に読みやすく感じました。宇宙の本なのに宗教や哲学にも踏み込みつつまとめられているので、宇宙の神秘性・底知れなさといったものが人間の思想に大きな影響を与えていることを改めて感じさせてくれます。
　「入口としての本」としてうってつけの本。

佐藤優著　『生き抜くためのドストエフスキー入門』
　ドストエフスキー５大長編の解説書。
　『悪霊』を読むことにしたので、予習も兼ねて再読しました。著者はキリスト教、神学、文芸評論にも通じている人なので、ドストエフスキーの作品解説には最適の人選なのだと思います。再読してもゾシマ神父論は説得力抜群ですし、ロシアのキリスト教観、土着意識も以前読んだときにも印象深かったですが、その感覚がドストエフスキー作品を感じるためには必須なんだろうな、と改めて感じた次第。
　ドストエフスキーの作家としての凄味みたいなものを感じさせてくれました。これから読む『悪霊』とは何を意味しているのか。この本でも触れられてはいますが、改めて楽しみにしております。

　ということで、いよいよ来週からドストエフスキー５大長編の１つ『悪霊』に手を伸ばす予定です。
　時間かけたらゴールできるでしょう、きっと。　

蝦読weekly 20230115～0121