久しぶりにあなたに会って、昔のことを思い出しました。
初めてあなたに出会ったのは今から約5、6年前の事だったと思います。私が上京してきたときのことでした。あれは本当に突然でした。あなたは、ドアのベルも押さずに玄関に来てくれました。それまでもあなたのことを聞いたことはありましたが、実際に会ったことはなかったのでそれほどの憧れはありませんでした。まったく無かったと言っても間違いはないと思います。
あなたに会ったときから夜もあなたのことを考えてしまい、寝れないこともありました。初めてのときは何の準備もしていませんでした。私があまりにも驚いてしまったから、あなたも私に驚いて帰ってしまいましたね。ごめんなさい。私にも家族が居るように、あなたにも家族が居るのだと思います。あなたの輝いている姿を見ただけであなたには守るべき家族がいるのだと私は確信していました。それからも、何度か家にきてくれましたが、なかなか距離は縮まりませんでした。それからしばらくは、あなたに会うことはありませんでした。正直、突然来たり、中途半端にあなたが帰ってしまうとものすごく不安なのです。もちろん、その夜、それから数日は気になってしまい、あなたが来てくれた場所を見つめてしまいます。
それなのに、あなたはまた突然来ましたね。私は久しぶりのあなたの訪問に驚きよりも怒りの方を強く感じました。とっさに私は、昔あなたの為に用意していたものを取り出し、あなたに向かって突きつけました。……なのに、なぜ逃げたの⁇突然前触れもなく私の前に現れ、いざ向き合えばすぐ逃げる。そんなに怖い⁇ねぇ、そんなに怖い⁇……
私はね、あなたのことが本当に怖いのです。嫌いという感情を飛び越えて恐怖なのです。
でも、あなたの為にちょっとした隠れ家を何個か用意させて頂きました。きっと気に入ってくれると思います。おそらく、あなたが好きなものだと思います。

もう、今度は逃がさない‼



ゴキブリ( ̄ー ̄)



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