今日は一日長期的な戦略を部下の皆さんと考えました。濃密なディスカッションだったので、帰って来てから食事をしたら疲労感でばったり倒れる位だったのですが、本当に本当に

自分の世界は自分にしか見えないんだなぁ…

あるいは

話が通じない人には、どうやっても話が通じないなぁ…

という実感をしました。


部下の一人はとても自己顕示欲の強い人です。大学時代(ってもうもの凄く前の話ですが)に非常によい大学を出て、奨学金をもらってアメリカに留学し、そのままアメリカで仕事をしているという人です。頭の回転はすなわち早いのですが、スポットライトに当たっていたい…と、余りに思考の中心が「自分」なため、周りからなかなか受け入れてもらえません。
結局どういう風になるか…というと、

スポットライトが当たるセミナーの講師の役を、社外の講師を立てる程のイベントでない時に、お願いされてその講師をする…だけしかやらせてもらえないんですね。

やらせてもらえない役回りは具体的に言うと、
そのセミナーに至る迄の企画や、そのセミナーの後のフォローアップに対する戦略やプログラムを作ること、実際にメンバーとして参画すること

そういうことには参加させてもらえないのです。

講師しかやらせてもらえない本人から見たら、
「○○さん達は、自分のやりたい様にしか企画しない。自分の意見を言ったって無視されるだけだ」
という風になってしまうのです。

そして、小さなプログラムでもスポットライトを浴びる役回りをもらえるので、
「自分のやっていることはスゴイ価値のあることで、お客さんも喜んでいる!」
ってなるんですよね。

彼と一緒に働いている企画している人からしたら、
「社外の講師を立てる程大きなマーケットでもないから、彼に講師をしてもらって、後の関係構築とか戦略的な部分は自分たちでやろうぜ」というとことが、本音なのです。

という部下を持つ私は、彼のリミッターを外す必要があります。なので、戦略的なプログラムのディスカッションをしよう…と試みたのですが、全て

「あなたの言っていることは全てもう自分はやっている!一緒にセミナーに来てくれれば判る筈だ!」

の一点張りで、過去のそういう小さなセミナーの写真の羅列を見せるばかり。自分が何をやっているのか、何がセミナーのポイントなのか説明も出来なければ、それを普遍的なプログラムに落とし込むことも、「自分は良くやっている!」の壁が阻んでしまって出来ないんですねぇ。

因果応報なのかなぁ…

と、心底思いました。そして、

彼の見る世界と私の世界の接点はほとんど無さそうだ…

とも。

この関係が変わるためには周りが彼に合わせてあげるのか彼が変わるのか…しかない訳ですが、観察していると、そもそもが彼の「自分が自分が」という自己顕示欲にある様に思えるので、彼の方がある意味自分を一旦横に置いてくれないと始まらない様に思うのです。

このままだと、私自身も彼の今迄の使われ方位しか、彼を活用する方法が思いつけません。 頭痛いです。

本当にThe more you give, the more you get (多くを与える程、より多くの物を得ることが出来る)だよなぁと思う次第です。


それと同時に、きっと彼の様な「スポットライトに当たりたい」という部分は私にもあって、それが譲れなくて摩擦を起こす場面もあるんだろうなぁ…と、謙虚になってみたり。

そいう「問題児」がそばに居ると、これは我が身へのメッセージでもあるぞ…と思うのでした。

まぁそんな学びのステージを経ているというお話でした。