仕事の関係でアルゼンチンのブエノスアイレスに来ています。南米のほかの国の同僚も一緒にいて、昨夜は一緒に街中にあるタンゴショーをやっているカフェに出かけてきました。

夕暮れ時、子供をつれた家族が町をあるいています。それを見て、同僚が
「家族連れが歩いてるんだから、歩いていけそうだね」と言いました。

ホテルからは「歩いていける距離ではあるけれど、お勧めしない」と言われたのです。そして通りに出て、タクシーを拾おうかどうしようか。。。というときに家族連れの歩行者に出会ったというわけでした。

我々は歩いて出かけることにしました。もちろんバッグはたすきがけで前に架けて両手には何も持たずにいける格好です。

そして、我々は人ごみのある大通りを選んで歩きました。距離で言えばものすごく遠回りです。

金曜日の夕方、そして翌週の月曜日は急遽祝日になったので、3連休の前の日でもありました。また、ブエノスアイレスでカーレースが行われるとあって、そのための交通規制も始まっていて、なんだか町は浮き足立つような雰囲気がありました。

途中、一緒に歩いていた同僚が「地図が見たいなぁ」といって、「このお店に入ろう」とさっと高級そうなお店に入りました。道路で地図を広げてあからさまに観光客であることを知られたくなかったからです。お店の奥のほうで地図を広げ場所を確認してから、また道に戻りました。

金曜日はごみ収集の日なのでしょう。大きなゴミ袋がいろいろなお店から歩行者道路の脇に投げ出されています。そして、それを漁っている人が実に沢山いるのでした。

彼らは道路をごみで汚すことなんて気にしませんから、結び目を解かれたゴミ袋からごみが外にあふれ道路や歩道に広がっています。

我々はそのごみをよけ、歩道にある穴に気をつけ、進んでいきました。

タンゴのショーは1時間半程度のノンストップ、とてもステキなショーでした。

お店を出る頃にはそろそろ11時という時間でしたが、町はまだにぎわっていました。
「これなら歩いて帰れるね」と、判断し、帰りも歩いて帰ることにしました。2ブロック毎に警察官が立っていて、町の治安に目を光らせていました。

行きがけよりも更に多くの人たちがゴミ袋を漁っていました。ゴミ収集車がごみを回収していましたが、既に散乱されたゴミ袋ですから回収した後も多量のごみが残っていて、回収した効果はあまり感じられない状況でした。


ごみを漁る人たちと我々を隔てる貧富の差は歴然と厳然と存在します。でも、彼らがそちらにいて我々がこちらにいる、これって「たまたまそこに生まれた」というファクター以外の何ものでもないんですよね。

医療関係に連なる仕事をしているので、場所によってそしてお金を持っているかどうかで、受けられる医療が全く違うことも知っています。これに関して言えば、お金を持っていても、いる場所によって受けられる医療が違います。

たまたま日本にこの時代に生まれたから受けている恩恵って計り知れなくて、これは明らかに自分の努力じゃなくて、恩恵としかいい様がないってこと。。。一歩普段の世界から離れると、思い出すことが出来ます。

タンゴの甘美な調べと共にそんなことを思った夜でした。