ちょっと話題を変えます。(でも最終的にはいろいろ繋がります)

私は世界中に展開している会社の本社に勤めています。もともと日本の支社に入社して、機会を得て本社のアメリカに逃げ出したというのは前述の通りなのですが、本社にいると支社にいては見えないことが見えます。

一番端的に見えるのは「国の勢い」です。

かつて私が入社した頃(20年位前)海外から本社に長期の出張で滞在している人…といえば日本からが一番大きなメンバーでした。その次がドイツです。常に20人以上の長期出張者が日本からきていて、本社の近所には出張者の家族で構成する「日本人村」が存在しました。その頃は、奥様方の「近所付き合いの難しさ」といった話題がよくあがっていたものです。

時は流れて、今日本から長期の出張をしている人は一人しかいません。それもしばらく0という時期が続いて、やっと一人やって来たと言う感じです。もちろん会社のオフィスにいると、「如何にも外国から出張でやって来ている」という人達と沢山行き交います。ほとんどの人達はアジア系、もっと端的に言うならば中国人か韓国人です。

そして、中央研究所の入っている棟に出かけると、そこにかかっている名札はインドや中国の名前ばかり。技術で身を立てて行く人達は外国からの人が多いのでした。そこで日本人の名前を見る事はほとんどありません。

約1年半程前に、日本人の同僚Wさんと「日本人ってどれ位いるんだろう?」ということで人数を数えてみたことがあります。そもそも、日本の支社で働いていて私の様に本社に転籍した人は2人しかいません。日本人でアメリカで採用になった人を数えても10人位しかいないのでした。

ちなみに、Wikipediaで国別の人口の順位を見てみると、日本人は世界で10位に入っています。そして、ビジネスのサイズからしたらアメリカの本国のセールスの次は日本が2位を占めているのです。

これらを総合すると言えることは、日本は「かつてのアイドル」みたいなものなのです。かつては大事にちやほやしてもらっていました。けれど、他のアイドル達がどんどん生まれて来て、「かつてのアイドル」は「継続的に利益出してくれてるからそのまんまやっててくれてもいいから」みたいな感じで、生み出す利益を再投資してもらえず、それらの利益は中国やインド、ブラジル等に渡って行きます。最終的には搾り取られて、「こじんまりと黄昏れる」国になるというシナリオなのです。

問題は搾り取られていることも認識せず、「だってどうしようもないじゃん。構ってくれないのなら自分だけでやるもん」って感じで自ら国内でこじんまりして来てしまっているということなのです。

がむしゃらに頑張るのは格好悪いといった「滅びの美学」と問題を見ない振りの「鎖国」がミックスされた様な感じといえばいいでしょうか。

日本の支社に勤めた事がない日本人のWさんと、この状況が余りに忍びなく、

「別に日本を助けるってことは、私たちの仕事の責任には入ってないけど、やっぱり寂しいよねぇ。どうしたものかねぇ?」

と、たまにお昼を食べたり仕事の後ビールを飲みながら語ることが続きました。
そして、「とりあえず…ちょっと助けてみる?」と一歩を踏み出したのが1年半前のことだったのです。