アメリカへの出張が与えられた事…これが頑張るだけで限界に近づいていた私に大きな転機となりました。
頑張って苦しいだけの人生と違う原理で世の中が廻っていて、かつ、仕事も認められる環境に初めて身を置くことが出来たのです。

今でこそ日本でも見かける様になって来ていると思いますが、アメリカでは子供の送り迎えを夫と妻が分担してやるのが普通です。

「子供迎えに行かないといけないから帰るね」

という理由を男性社員が口にしても何ら問題のない職場環境でした。

そして、男性の同僚がこんな事を平気で聞いてくる世の中でした。

「あのさぁ、週末に食料品の買い物するでしょ?あれって結構時間掛かるじゃない。家族でそんな事するより、食料品の宅配頼んで、家族で子供と遊ぶ時間増やせる様にならないかと思ってるんだけど、どう思う?」

そして、更には発達障害のある子供の母親が

「うちの子ね、障害があって、特別な先生に見てもらう必要があって、大変なの。でもね、本当に世界一可愛くて素敵な子なんだよね~」

と完全な親ばかを素直に表現できる環境でありました。

子供は親の従属物ではなくて、れっきとした個性であり、それをそのまま愛おしむ文化でした。
そして、仕事は一生懸命やっても家族の時間はかけがえのない聖域でした。

これで仕事が日本に比べてはかどらない…というのならある意味「日本は家庭生活を犠牲にしてるだけあって早いなぁ」とも言えるのですが、実際に仕事をしていて、アメリカのほうが仕事を早く片付けられることに気がつきました。

短時間で高率よく仕事ができ、120%働いて一人前…という軛もなく、社員みんなが自分の生活を大事にしている…そういう世界が存在する…これは衝撃的でした。