ネット広告のコンセプト変遷 | 海老根智仁オフィシャルブログ「エビブロ。」Powered by Ameba

ネット広告のコンセプト変遷

今回は、インターネット広告の基本的なコンセプト(ダイレクトアプローチ的)の変化についておさらいしよう。

かつては「広告主がネット広告の『枠』を通じてエンドユーザーにアプローチする」という考え方しか存在しなかった。

Yahoo!やMSNといったポータルサイトのトップページに出すバナー広告がその典型だが、基本的なコンセプトは「人通りが多い場所に看板(広告)を出すこと」である。

広告を出す場所が既存媒体(テレビ、ラジオ、新聞、雑誌、屋外看板など)からウェブサイト上になったものの、本質の考え方自体は従来のマスマーケティングと変わらない。

クリック保証やアフィリエイトなど料金形態の多様化、専門ポータルや携帯サイトなど掲載場所の多様化、リッチバナーなど表現方法の多様化は進んできたものの、広告のコンセプトそのものは、グーグルやオーバーチュア(現在のYahoo!サーチマーケティング)等によるサーチ広告が登場するまで、大きく変化することはなかった。

ユーザーが何かに対する興味を示したその瞬間に検索結果として広告を表示するサーチ広告は、まさに広告の革命的なものであったが、さらに現在、サーチと並んで主流に踊り出つつあるのが、いわゆる「ターゲティング」の考え方である。

広告主の商品・サービスに興味をもちそうなユーザー群を類推・予測して絞り込み、そのユーザーと広告をマッチングさせるものが主である。

いわば「興味をもちそうな人たちの玄関先に看板を出しておく」「興味をもちそうな人たちが通る道(無数にある)一つ一つに看板を出す」、とでも言えようか。

オーディエンスというユーザー一人一人にアプローチできる時代の到来だ。


次回に続く。