夫婦のすれ違いは、いつも小さな違和感から始まる。
はじめのうちは、話せば通じる、少し歩み寄れば戻れる——そう信じている。
けれど、どれほど思いを尽くしても、

その言葉が相手の心に届かないまま時間だけが過ぎていきます。



やがて、話すこと自体がむなしくなり、
沈黙の方が平和に思えるようになる。

それでも関係を守りたくて、何度も手を伸ばしてきたのでしょう。



しかし、夫は小さなすれ違いさえ、すくって解消しようとはしなかった。

そこに、すでに答えがあったのだと思います。



努力が足りなかったのではなく、

『受け取る気のない相手』に向けてがんばっていた。


そう気づけたとき、人はようやく自分を責めることをやめられるのだと思います。



離婚しないこと、関係を続けることが悪いわけではありません。

ただ、もう変わらない相手に「変わってほしい」と願い続けることは、

自分を少しずつ削っていくことでもあります。


夫婦仲を改善するために生きるのではなく、
この気持ちのままでも、今日まで生きてきた自分を認めること。

そこに立てたとき、人はようやく少し楽になれるのかもしれません。





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