夫婦の関係が崩れたあと、
「せめて責任は果たしてもらいたい」と考える妻は少なくありません。
たしかに、それは当然の願いに見えます。

しかし——そこに『他人を尊重する意識』が抜け落ちていることも多いのです。



夫に「義務を果たせ」と迫る構図のままでは、
相手の心はますます離れていきます。
形のうえでの婚姻を続けたとしても、
すでに心の交流が失われているなら、それはもはや「関係」ではなく「契約」にすぎません。

本当に関係を立て直したいなら、
相手を責め立てるよりも、自分の中に残る支配や依存の感情を見つめる必要があります。
相手の行動を制御しようとするほど、

かえって『対等ではない関係』を強化してしまう。



夫が過去に不誠実だったとしても、
その後も永遠に「責任を果たす側」として固定してしまえば、
もう人間としての尊厳を回復する余地がありません。

相手に償わせるのではなく、
互いがそれぞれに「どう生きるか」を選び直すこと。
そこにようやく、本当の意味での自由と再生の可能性が生まれるのだと思います。



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