多くの不倫は、
本気の愛ではなく、
その瞬間の刺激や、自分が見たい理想像に惹かれた結果にすぎません。


夫が冷めるとき、
そこにあるのは『相手への興味の終わり』ではなく、自分の中の幻想が崩れた瞬間です。
要するに、心を奪われていたわけではなく、
ただ自分の欲や理想を投影していただけなのです。



そしてそれは、不倫相手に限ったことではありません。
同じように、妻のことも「自分の理想を体現する存在」として見ています。




妻には「支えてくれる人」を、
不倫相手には「癒してくれる人」を重ね合わせ、
その枠から外れた途端、興味を失う。




その関係性は、愛というよりも『自己維持の構造』です。
だから、どちらの女性にも本当の意味で心は向いていません。



彼が冷めるのは、相手にではなく、
自分が作り上げた幻想が壊れた時。
それだけのことです。




この構造を理解できたとき、
妻が安心すべきなのは「勝った・負けた」ではなく、彼が『現実の人間関係』を取り戻せるかどうか。





理想を追うことをやめ、
人を『自分の一部』ではなく『対等な存在』として見られるようになったとき、
はじめて彼の中に成熟が生まれる。
そこからようやく、再構築ではなく『再生』が始まるのだと思います。





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