「離婚してから付き合えばいい」
この言葉を見聞きするたびに、少し違和感を覚えます。
たしかに倫理的には正しい。
けれど、心の動きを語る言葉としては、どこかすれ違っているように思うのです。
不倫や婚外の関係が生まれる時、
多くの人は「配偶者がいるのに浮気したい」と思って始めるわけではありません。
むしろ、結婚という枠の中ではもう満たされない自分に気づいてしまう瞬間があって、
そこから、誰かとの出会いを通して
自分の中の『生きている感覚』を取り戻していく。
そういう経過の中で、関係が始まっていくことの方が多い。
だから、「離婚してから付き合えばいい」という言葉は、
倫理の話であって、心の現象そのものを説明してはいない。
人の変化や再生は、
きれいに整理された後から起こるわけではなく、
むしろ何かをまだ背負っている時にしか生まれないこともある。
混乱や葛藤の中でこそ、人は本当の自分の声に気づくからです。
それをすべて「間違い」と切ってしまうのは、
人の心の再構築のプロセスを見ないことと同じです。
倫理を掲げるよりも、
なぜその心が動いたのかを見つめる方が、ずっと誠実なのではないかと思うのです。
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