何かを捨てることが「進む」だと思っていた。
けれど本当は、
まだ終わっていないものと、きちんと向き合うことだった。

過去を切り離して新しい道を歩くよりも、
いま目の前にある現実を見つめる方が、
よほど難しい。

自分が築いてきたもの、
言葉にしてこなかったこと、

守ってきた「安定」の裏に置いてきた感情。


その全部を見渡して、
やっと、何を残すかが見えてくる。

進むというのは、
逃げないことだ。
過去にも、誰かにも、
そして自分にも。

逃げずに、
「もう戻れない」と認めることが、
一番の前進なんだと思う。

静かに受け入れるほどに、
胸の奥で風が通るようになった。
痛みはまだあるけれど、
もう怖くはない。