夫婦の関係をやり直せるかどうか。

その答えは、時間や努力の量ではなく、

「どんな気づきが生まれるか」にかかっているのかもしれません。


もし夫が、外に向いた気持ちの意味を見つめ直し、「なぜその関係に惹かれたのか」「何を求めていたのか」まで理解できたとき。

そして、そこにいた女性を「妻と比べて選ぶほどではなかった」と感じるだけでなく、

そもそも自分の足りなさや、妻の人間性に改めて気づいたとき——

はじめて関係は、再び『育て直す』方向に向かうのだと思います。


一方で、ただ家庭に戻り『平穏を取り戻す』ことを再構築と呼ぶ人もいます。

けれどそれは、愛のある関係が戻ったというより、表面を取りつくろっているにすぎません。


また、長く続く争いの中で

妻が不倫相手との競争に心を奪われ、

人としてのやわらかさを失ってしまうこともあります。正しさを掲げれば掲げるほど、

その姿が鏡のように夫へ反射していく。


けれど、夫に罪を突きつけ続けるうちに、

いつのまにか自分の中の醜さや正しさへの執着が、本来の優しさを覆い隠してしまうこともあります。

それに気づけるかどうかが、再構築の分かれ道かもしれません。


夫婦関係を立て直すというのは、

相手を変えることではなく、自分の中に『もう一度、愛を見つけ直すこと』。

そこに気づけた時、ようやくスタート地点に立てるのだと思います。


再構築の本質は、勝ち負けでも、償いでもなく、互いに人としての尊厳を取り戻すこと。

そこにたどり着けたなら、

はじめて新しい関係が始まるのでしょう。


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