結局「夫は最初からそれほど自分を特別に選んでいなかった」という現実が、多くのケースに潜んでいるのだと思います。
けれど妻たちは、自分の結婚をシンデレラストーリーの延長に重ねてしまう。
「唯一無二として選ばれた」という物語を信じ続けることで、現実の違和感を直視せずに済むからです。
確かに、長い時間を共に過ごした積み重ねや、思い出の数々は消えるものではありません。
それらは二人が一緒に生きてきた証であり、そこに嘘はないでしょう。
しかし「思い出がある」ことと「今も愛され続けている」ことは別の話です。
それを混同してしまうと、過去に縛られたまま未来を見誤ってしまうのではないでしょうか。
シンデレラの夢から一歩降りてみると、見える景色は決して華やかではないかもしれません。
けれどその先には、「自分はこれからどうしたいのか」という本当の問いが残ります。
誰かに選ばれ続ける物語ではなく、自分自身が選び直す物語へと切り替えること。
それこそが、幻想を越えた先で見えてくる確かな未来なのだと思います。
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