「自分は相手にとって特別であるはず」という前提で妻たちが語る場面は多い。
言葉にしなくても、その期待が要求や監視にすり替わっていくことがある。
◆ 2つの「特別」
1. 比べる特別
他人より上回っている、選ばれているという『比較優位』としての特別。
基準が外側にあるため、状況が変われば簡単に揺らぐ。
2. 比べない特別誰とも取り替えられない固有の存在としての特別(唯一無二)。
比較や順位と無関係で、静かに確かな自己の軸から生まれる。
◆ 誤用が生むズレ
・妻側に多い誤解:「私は特別だから守られるはず」
― 結婚の『形式』を根拠に、比較の特別を永続させようとすると、現実との齟齬が増える。
・している側にもある誤解:「自分だから選ばれた」― 実際にはタイミングや距離感、偶然の文脈が重なった結果であることが多く、唯一無二と同義ではない。
どちらも『比べる特別』を『本物』と取り違えることで、期待が膨らみ、失望が深くなる。
◆ 何を拠り所にするか
関係は「特別であることの証明」ではなく、互いに選び続ける行為でしか更新されない。
言葉よりも、態度・境界線・約束の守り方といった行動の積み重ねが、唯一無二の質感を静かに育てていく。
◆ まとめ
「比べる特別」は不安定で、外側次第で姿を変える。
「比べない特別」は、誰にでも等しく宿る固有性で、他者と争う必要がない。
この違いに気づいたとき、求め方が変わり、関係の見え方も穏やかに整っていく。
※ 記事の内容や表現は筆者のオリジナルです。
引用・転載・リブログなどの無断利用はご遠慮ください。
