彼が「レスだ」と言ったのは、ごく最初の頃のことでした。
私が自分の話をしていた流れで、彼も自然に自分の状況を打ち明けてくれたのです。
あのとき私は、ただ会話の延長線上に聞いただけ。
深刻に受け止めたわけでもなく、むしろ「私に合わせて言ってくれたのかな」と軽く思っていました。
けれど今振り返ると、それは合わせるための言葉ではなかったように感じます。
わざわざ嘘をつく必要のない場面で、彼は自分のことをそのまま伝えていた。
そこには、飾らず、隠さず、嘘をつかない人柄がにじんでいました。
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だからと言って彼は、その部分を外で補おうとしていたわけでもありません。
本人の欲は強い方ではなく、むしろ「自分の欲」より「私を喜ばせたい」という思いが前に出ているように感じます。
そして最近では、その姿勢がさらに変わってきたように思います。
欲としての関わりではなく、心のつながりの延長にある自然な行為として受け止めている気配がある。
関係の形を「心ありき」のものにシフトしてきた。
それが彼の中での変化であり、私が安心を覚える理由でもあります。
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あのときの何気ないやり取り。
今思えば、それが私が彼に信頼を寄せるきっかけの一つだったのかもしれません。
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