離婚するなら当然請求できるし、権利としても認められています。
気が済むことを優先して請求するのも、もちろん一つの選択です。
けれど、実際には「慰謝料を取るかどうか」で迷う人は少なくありません。
なぜ迷いが生まれるのでしょうか。
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◆ 権利と感情の板挟み
慰謝料を請求することは「正しさ」を選ぶこと。
一方で、夫と再構築を望むなら「請求=夫を追い詰める」ことにもなりかねない。
正しさと未来への願い、その両方の間で揺れてしまうのです。
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◆ 自分の立場をどう捉えるか
慰謝料を請求すれば「私は被害者だ」と強く位置づけられる。
請求しなければ「私は夫と共に選び直す」と柔らかい立場に立てる。
どちらの自分でいたいか──その選択が難しいのです。
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◆ 周囲の期待とのズレ
世間の声は「絶対に慰謝料を!」という正義感に傾きがち。
でも自分は夫と一緒に未来を歩みたいと思っている。
「私がおかしいの?」と感じてしまい、決断が遅れていきます。
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◆ 愛なのか、怒りなのか
夫への愛を言葉では強く語りながら、
制裁への思いで心がいっぱいになっている妻たちもいます。
その姿を見ていると──
「本当に夫を愛しているから怒っている」のか、
「怒りに心を奪われて愛が見えなくなっている」のか、
分からなくなることがあります。
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◆ まとめ
慰謝料を取るか取らないかは権利の問題。
けれど、そのことで迷う背景には、
「夫とどう生きたいか」よりも「どう制裁したいか」が前に出ている場合があります。
怒りが愛を覆い隠してしまうこともある。
それに気づけるかどうかが、次の選択につながるのかもしれません。
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