寒くなると、夫から おでんをリクエストされる回数が格段に増える。


節約する前は、毎日のように買い物に行って、


その日食べたいものの材料を買って作る、ということをしていたので、


夫に「おでんが食べたいな。」と言われても、


「おでんは味がしみるまでに時間がかかるから、材料を買って帰ってもすぐには出来ないのよ。」と


断ることが多かった。


けれど、週イチでまとめ買いをするようになってからは、


土曜日に買い物をする時に、夫に食べたい物を聞いて、


「おでんがいいな」と言われたら、材料を買っておいて、翌日の日曜日に、


午前中のうちから仕込んでおくので、


気持ちに余裕を持って作れて、しかも、朝のうちから作り始めるので、


晩ごはんの頃には、いい具合に味がしみた、おいしいおでんが食べられるようになった。


計画的に献立を立てて、買い物をすることの利点を、


こんな時に実感する。


      チューリップ紫

私も夫も、週末だけ、ビールを堪能することにしている。


お互い、自分のおこづかいでビールを買うというルールを決めているので、


各自で調達した、自分の好きな銘柄のビールを、週末の朝に、


チルドルームに入れて冷やしておく。


週末、夕食とともにビールを堪能した夫は、その日、疲れていたのか、早々に寝てしまい、


なんとなく飲み足りない気持ちだった私は、


夫が明日、飲むつもりで冷やしておいた「明日用の夫のビール」を、


つい、魔がさして、いただいてしまった。


「明日の朝、気がつかれないうちに、コンビニに買いに行って、


知らないフリして冷蔵庫に補充しておけばいいや。」


軽い気持ちで、そう考えた私だったのだが、


翌朝、コンビニに、補充するべきビールが売っていないので、あせった。


私が夫にナイショで飲んでしまったビールは、


キリンラガーのもみじが散りばめられた秋バージョン。


でも、コンビニには、フツーのラガーしか、おいてなかったのだった。


「人のビールを、勝手に飲んだ」


夫に、ののしられるのがイヤだったが、(ののしるような人ではないけれど…)


仕方がない、フツーのラガーを購入して、知らないフリして冷蔵庫に入れておいた。


結果は…。


夫は、全く気付かず、私がすり替えたフツーバージョンのラガーを、


何の疑問も抱かずにおいしそうに飲んでいた。


妻が髪を切っても気がつかない男の人は、多い。


夫も、そのテのタイプだ。


微妙な違いが、わからないのだ。


ヘアスタイルを変えても、口紅の色を変えても、


全く気がついてくれない夫に、もっと気がついてくれてもいいのに、と思っていた私だったけれど


今回は、「気がつかない夫でよかった」と、つくづく思うのだった。