新しいプロジェクトに異動をして、
9ヶ月ほど経ちました。
以前に書いたブログ
( チームで開発するということ )を
書いてから1年半も経つので、
前回同様、プロジェクトを通じて
「あ、これ大切だな」と感じたこと
を書いてみようと思います。
(今回は25個でした)
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■取り掛かる前に、効果を最大化させる手段を考える
自分やチームメンバーのみで
やり切ることが正解と思わないこと。
例えば、外部会社の方との交渉など、
自分よりも上の役職の方を連れて行った方が効果が出やすかったりする。
様々な状況を冷静に鑑みて
「最も効果が出る方法は何か」を考える。
■「リーダーが何も言わない」 こと事態も、メッセージになる
プロジェクトとして許してはいけないこと、
をリーダーがきちんと指摘できないと、
その行為は
「プロジェクトにとっての許されたルール」
になってしまう。
一度認められたことが後日ダメになることは、
理不尽を感じられてもしょうがない事。
なので一度も見過ごさずに、
きっぱりと「それはダメ」と、
理由とセットで、対面で伝える事。
■意思決定にメンバーを巻き込む
人が
「やる気になる場合」と
「やる気を失う場合」の違いに、
「自分が意思決定に関わったかどうか」が重要だと思っています。
なぜ自分がこの仕事をしているのか、
を理解しているとスピード上がるし、責任感が生じてくる。
「あ、これを決める際は、あの人を呼んでおいた方がいいな」とか、
今後関わりそうな人がいれば、
先んじて巻き込みたい人を呼んでおく。
自分だけで細かい進め方までは決めないこと、が大事だと感じてます。
■「1つの画面」を見て、言い合える環境をつくること
僕がプロジェクトを異動して、
最初に頼んだのは「大型のテレビ」を買ってほしい、ということでした。
僕が見てきた良いプロジェクトは、
「なぜ、いま自分(と他の人)は、⚪︎日までに〜〜をしないといけないのか」をメンバー腹落ちして、認識しているチーム。
参考となる動画や、自分たちのゲームを見て、「何が良いのか悪いのか」を議論する回数の多いチーム。
その環境を作るには、大きい1つのテレビを全員で話し合うことが、てっとり早く有効だと思っています。
■今本当に解決すべき課題を明確にしてから、議論や思考をすること
「自分たちは今なにを改善すべきなのか」
「なぜ今この話をするのか?」
上記がかっちりしていないと、
議論が右往左往してしまい非効率な時間になる。
「いま自分たちはこういった課題がある」
という前提の認識を合わせてから、議論を開始すること。
■誠意をもって正直に話す
個別の面談などで、
相手に伝えるのにパワーが要る内容がある。
話したくないような、億劫になるような内容も沢山ある。
もしかしたら揉めるかもなあ、という内容があったり。
ただ、誠意をもって伝えれば、相手と建設的に議論できると思った半期だった。
もしかしたら、自分にはない視点の考え方が出来て、見え方が変わるかもしれない。
または、向こうに新しい気付きを与えることが出来て、今後のパフォーマンスが変わるかも知れない。
話したくないなあ。ということほど早くやった方が良い。
■採用計画と面接にメンバーを巻き込む
採用の面接は、
メンバーがプロジェクトの事を考えるいい機会だと思う。
うちのプロジェクトはいま何に課題を持っていて、
どんな人を仲間に入れようとしているのか、を考える絶好の機会になる。
自分も採用に携わった、という認識が芽生えるので、
新しい仲間を迎えた際のフォローアップも進んでやってくれることが多い。
僕は、メンバーにどんどん面接に同席してもらい、
自分の意見を言う前に「どうだった?」と必ず聞くようにしています。
意思決定に巻き込む、という話に似ているかも。
面接手伝ってくれているメンバーの皆さん、ありがとうございます。m(_ _)m
■採用には、時間を惜しまない
チーム作りで最も重要だと思っているのが「採用」だと思う。
どんなに優秀層でも、
マインドがうちに合わなければ絶対に採用しない。
一方で、能力はそこまで高くなくとも、
マインドが合えばチームにオファーする。
グーグルのエアポートテストのような考えを凄く大切にしていて、
そこがマッチしなければ必ずチームに入れてはいけない。
「飛行機が欠航になって、空港で一晩一緒に過ごさなければならない。そのとき、夜通し語り明かせる人かどうか」
■適材適所をし続けること
プロジェクト事情で、本来はもっと輝けるポジションがあるのに、
そことは違う所で頑張ってくれている人がいる。
例えば、
~~~~~
Aという仕事=「○」
Bという仕事=「◎」
~~~~~
みたいな際に、
本来なら「B」をやってほしいが、「A」で頑張ってもらっている人がいる。
本人も「A」で結果を残しており、「B」を望んでいたら、○から◎を達成できる環境を作る必要がある。
■主語の段階を上げていく
プロジェクトの事を
「前向きに考えてくれている人数の多さが、プロジェクトの強さ」
だと思います。
一人でも多くの人が、
「うちのプロジェクトは、もっと〜〜したほうがいいし、やろうよ」
と前向きにいえる環境をつくるのが自分の仕事。
もし主語が「自分の仕事」の人がいれば、一階層上の「セクション内」の話を振ってみたり、
「セクション内」の話を話してくれれば、「プロジェクト全体」の話を相談してみる。
ステップを踏みながら巻き込んでいき、メンバーの主語の範囲を上げていく。
■リーダー陣は毎日集まって話す
リーダー間での思想や方向性に不一致が生じると、
一気にメンバーが不安になります。
難しいチャレンジをしているので、
毎日たくさんの問題が起きていますが、
その問題と解決法を共有して、
プロジェクトとして、どこを目指すのかを擦り合わせていくこと。
必ず毎日30分集まって話していますが、
毎回なにかしらカロリーのいる会話になってます。
リーダーがお互いを尊重しているからこそ、
本音で話せるし、その関係をつくるためにも、毎日話した方がいい。
■「人」の話は第一優先
プロジェクトを進めていると、
毎日たくさんの問題が起きます。
大小さまざまな問題があるが、
「人」関係の問題は、何よりも優先度をあげて対応する。
例えば、仲が悪い、
というのは時限爆弾みたいなもので、いつか爆発する。
人の話は、時間を空ければ、空けた分だけ悪化する。
というのを肝に命じておくこと。
■相手の思考のモトを追求する
相手の意図を会話の中で把握すること。
「この人は、なぜこのタイミングでこのことを聞いたのだろう?」と。
相手の意図をくみ取った上で、
もっと有効な手段は無いか、
もしくは提示された理想をどう実行していくか、の話を始めること。
たとえ相手が言語化できなくとも、
何かしらの違和感があり、発言や行動をしているはず。
その場合は、「それってこういうことですか?」
と相手の思考のモトを深堀り、理解すること。
■「僕は思っていることを全部いうので、反対に思ってることを全部言って下さい」
今のプロジェクトに来てから、彰吾さんと一緒に面談に出ることが多くありますが、
そういった場では、彰吾さんがよくいうのがこの言葉。
自分が本音をいうからこそ、相手も本心をぶつけてきてくれる。
だからこそ信頼が生まれていくんだな、と思いました。
■達成感を共有する
めでたいことは全員で共有し、拍手と共に達成感を共有する。
良いことがあれば、セクションを超えて共有し合うようにする。
仲間の「勢い」を感じることが出来れば、自分も勢い付こうとしてくるし、「イケる」気がしてくる。
自分たち以外の「達成したこと」を、垣根を越えて届ける仕組みをつくるのは、マネージャーの仕事だと思います。
■相手の言葉を遮らない、遮らせない
チーム内のセクションの1つで、どうもみんな優秀でやる気があるのに、話が噛み合わないチームがありました。
自分の意見があるから「いや、違うんだ!自分はこうした方は良いと思うから、こうしたいんだ!」がひたすら続く。
話が噛み合わない、が続くと、残念ながら人間性の否定に繋がりやすくなる。
そのチームに、1つだけルールを付けたのが「相手が話し終わったら、自分が話し始めて良い」というものでした。
子供かよ、と思われるかもですが、相手が話している途中で自分の答えが見えてくると、すぐに話したくなってしまう。
(優秀な人ほど、脳内で答えが出るのが早いから、言いたくなるのかと)
ただ、その場合も、必ずしも「自分の想定=相手の言おうとしたこと」ではないので、
話しているの途中でに突っ込まれた人からしてみたら「いやいや、そういう話じゃないんだけど(この人分かってない)」になりがち。
相手の気持ちを尊重するなら、相手の言葉を聞ききってから、自分の意見を伝えること。
それを続けて行ったら、そのセクションはどんどん良くなっていきました。
■「これをやりたい!」という想いを大事にする
「無理やりに、やらされていること」では良いものは作れない。
限られた時間の中で、どうやったら良いものを作れるか、という課題を一緒に考える。
みんな良いものをつくりたい一心で集まっているので、
スケジュールの天秤に負けないよう(=スケジュールの中で質を高められるよう頑張れるように)、
いい意味でクリエイター魂を燃えたぎらせるコミュニケーションをとる。
■なるべく一つの仕事に集中できる環境をつくる
1つのことに集中している人間は強い。
そのことだけを考える時間が増える分、様々な思考パターンを考えるので、成果を出しやすい。
一方、そのことを失敗すると、評価されない、というわかりやすいリスクも背負う。
なるべくメンバーには1つのことだけに集中し、成果を出してもらえるよう、環境を整備するのがマネージャーの仕事。
■KPTを大切にする
セクション(=チーム毎)に、KPTというMTGを週一で儲けています。
一週間のよかったことと反省点を、チームで洗い出し、改善につなげる場です。
良いものを作るには、良いチームではなくてはならない。(仲が良いとは違う)
KPTを通じて、少しでも組織力を上げていき、反省を次に活かすチームをたくさん作ること。
必要なことを忌憚なく言い合えるチームをつくること。
■MTGでのGAT(ゴール、アジェンダ、タイム)を大切にする
メンバー6人を集めて、30分話すということは、PJTの時間を合計3時間を使っていること。
その分の時間を使って、何も進まなかった、では誰も幸せにならない。
僕はメンバーとのMTG時は、必ず「今日のゴールは~~」から話すし、
一方でメンバーから最初にゴールの説明がされなかったら、必ず突っ込む。
事前にGATを参加者に伝えるように促すし、それが徹底されている組織は強いと思う。
(当たり前のことを当たり前にできる、という意味でも)
■メンバーから「正直、自分は〜〜が苦手なんですよね」を言ってもらう
「自分の苦手なこと」を自身で把握している人は強いし、
苦手なことをわざわざやってもらう必要もない。
周りの人も「ああ、〜〜さんはあれが苦手だからしょうがない」
でも、「その分、〜〜を期待されているんだろうな」と感じるようになる。
個々の強みを伸ばす。が組織で重要だと思う一方で、
個々の苦手なことが言い合える環境づくり、も仕事だと思う。
■メンバーが「不必要な努力をしていないか」をチェックする
メンバーのタスク優先度をきちんと管理する。
「なぜ、あなたは今これをしないといけないのか」
「なぜ、あなたは今これをする必要がないのか」
をコントロールすること。
目先で起きる「これをなんとなく先にやったほうがいい」を許さない。
■大枠のビジョンから入り、そのあと詳細な戦略を話すこと
面接の時。メンバーへ大型の新機能をオリエンする時。
「これは〜〜を目指している。」とまずは「大きなビジョン」をまず話すこと。
うちのゲームにも、大きなビジョンがあり、それをしっかりと伝えることで、人が参画してくれると思ってる。
想いは人を動かすと思う一方で、意外ときちんと話せている人がいないな、と思いました。
■違和感を言語化する
働いていると「あれ、、なんかおかしい、、なにか違う」と思うことがあります。
(そういう系の違和感はすぐに確認した方が良い)
その際に「その抽象的な違和感を言語化できるか」で、チームのスピードが変わります。
「なんか違う」と言われても、チームのメンバーは対応できないし、頑張ってしてくれようとしても、走る方向が誤ってきます。
「なぜ自分は違和感を感じたか」を論理的に話すことが出来れば、解決速度があがると思います。
■言葉の定義をする(抽象的な言葉をさける)
一緒に働いていて「ああ、この人は優秀だな」と思ったのが、すぐに「求められている内容の定義を合わせにくる」人でした。
「仕様書の作成」というタスク1つにしても、
仕様書を書けば終わりなのか、関係者にオリエンして終わりなのか、はたまたオリエンして、工数を出してくるまでなのか。
捉え方一つで、求められているゴールが人によって変わってきます。
自分から「ゴールを合わせに設定しにいける人」、一方で「ゴールを明確にできる人」は大切にしないとな、と思いました。
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色々と書いてきましたが、前のブログでも書いたように、
1年半たった今でも一番思っているのは、
「俺たちのやっていることはどれだけ凄いか。わくわくするようなことなのか」を伝える事が一番大切と思います。
そういう意味だと、TGSを通じて、いかにこのプロジェクトが攻めたことをしているかを再認識できました。
「難しいことに挑戦しているからこそ、面白い」と奮起して、頑張っていきます
TGS行った際の思い出写真 ↓