練習生募集のチラシを握って

玄関に立った男

年齢といい体格といい

あまりにも場違いで


困り顔のトレーナーは言った

「人には向き不向きがあるものだ」

その日を境に

1人のボクサーが生まれた



失うことを恐れて

何も手にしてこなかった

言わばもう敗れたはずだ

今更何を取り戻すんだ



燃えてるんだか

なんだか知らないが

まるで道化じゃないか痛々しい

やめろよやめなって

自問に対して自答するなら


1度限りなんだ

この人生は

何もなくていいはずないだろう


右の拳をもう1度

天国のケントに高く打ち抜け


打ち抜け