虫の音も賑やかな初秋。

朝晩は大分涼しくなり、
海老蔵は身を寄せて眠りに就く様になった。


夏が通り過ぎていくのは
幾つになっても幾ばくかの淋しさを伴うものだ。


胃痛復活で、ある意味センチメンタルになっていた昨今。
可愛いプレゼントが
虎太郎に届いた。

宛名は、虎太郎。
差出人は、おばちゃん。


小さな小さな木製のスプーンが入っていた。



いつの間にか行方不明になってしまった虎太郎の「うぃのん」のスプーン。
別に気にしている風ではなかったが、買い与えた方とすれば気になるものだ。


虎太郎のスプーンが無くなってしまった事を、妹は覚えていてくれたらしい。

ぶっきらぼうだが、
実に
心優しい。


スプーン好きな虎太郎は、早速ガシガシカジっていた。


親バカ婆バカの私と母は
馬鹿っぷりを遺憾無く発揮して、スプーンに噛み付く虎太郎を絶賛。
妹の優しさに絶賛。


新之助と海老蔵は少し離れた所で、その狂乱振りを温かく?見守ってくれていた。


家庭内での細やかな幸せ。


明日から、
カンカンは虎太郎のスプーンで盛り付けようと思う。

夜風が心地好い。