シャンク調整等


シャンク/テーパー作製。
このゲージ(シャンクにはめているもの)がシャンクの先と位置がピッタリとくるように1本1本調整します。
テーパー台の目盛りも1目盛り間を感覚的に10分割して作業しています。
確かにCNCで製造された時点では非常に正確に出来ているのですが製作するモデルによって長さも違いますし(外形素材そのものは90ミリ)熱処理による熱変化で微妙な変形が起きている場合もあります。バックボアも新しいものは切れますが何百、何千という数になれば当然切れ味も落ちてきますのでバックボア作製後はシャンク出口が多少広がっている事もあります(当然ある所まで来たらバックボアは新規作成で交換という事になります)。
スタンダードモデルからハイエンドモデルまで全てのシャンクををこのように1本1本確認調整をしています。
その後全ての工程を仕上げた後に試奏調整という気の遠くなる作業が待っておりますが当然製作者本人の演奏コンディションが悪いときには行えません。
調整そのものが完了し、ようやく磨いてメッキに・・・・
と思われますよね?
メッキの厚さで折角のシャンク設定に狂いが出てきます。
その分のアジャストもする磨き作業があるのです。
その為のゲージもあります。
(しかしメッキ工程の電極の位置や様々な要因で狙った通りの結果にならない事もあり課題は残ります。)
ちょっとした傷もメッキが掛かれば驚く程に目立ちますので部分磨きも欠かせません。
使って頂けるマウスピースを作る事も大変ですが見た目はどうでも良いのであれば労力は半減以下です。マウスピースとしての性能と売り物としての美しさの両立は実に大変です。
見た目だけ良い仕上がりのマウスピースを作るのであれば楽勝ですがそれでは作る意味がありません。これだけの手間が1本1本に掛かっています。
もちろんカスタム作品でメッキの為に戻って来るものも当然同様の手間を掛けてます。
全ての作業からしたらこれは本当にホンの一部です。
もっと簡単にマウスピースって作られていると思っていませんでした?
いや、簡単だと思われる方もいるのかもしれないですね・・・・
とうわけでちょっとした調整の一部分に関しての話でした~