ラララララ?

バロック・ナチュラルラッパで遊び始めて3ヶ月が経過。
まぁ4ヶ月目なわけです。
基礎練習へ生かしてみたり、ヘンデル、パーセル、バッハからベートーベンのラッパパートを遊んでみたり。
孔を使って吹くのはまぁわかります。
孔を塞いで、いわゆる孔無しの『ナチュラルラッパ状態』にして吹くと難しさが可成り上がる訳です。

特に五線よりもちょっと上のAは鬼門です。
上のFとFisは良いとしても鬼門はA。
昔のニコルソンさんのインタビューでは”頭声で訓練するしか無い”と述べられていました。
Cb管のときは相当ドンピシャまで行くようになりましたがDb管では玉砕。
音色が音程の聞こえ方に影響するのは事実ですが、このAの音は論外...
1.孔を使って音程修正する事が前提の楽器の修正孔を塞いでいるから低いのか?(塞ぐ事は想定外)
2.実は当時もこんなもんでラの音は低くても当たり前でオッケーだった?
3.平均律の耳がおかしく聞いている?
4.それなりの楽器とマウスピースをゲットすりゃ可成りのところまでいけるのか?
なーんて考えてみたものの....Aの音もハーモニーによっては高めにも低めにも欲しいので一概にアレでオッケーとはならないでしょうなぁ....っていいますかどんなシチュエーションにも低過ぎますってば。
おまけにあんなにリスキーなラの音なのにバッハさんもヘンデルさんもバッシバッシ使っています。
あのシンプルな孔の無い状態であの方々の曲を演奏していたというのはちょっと無理があるかと。やっぱり片方スライドかなんかついている楽器を使っていたんじゃないのかなぁ。
仮に孔の開いている楽器を使ったとしても機能的に出ない音が(無理に出せますけれどね)書かれているわけで半音から全音位を何かで下げる事が出来ないと無理な音も出て来る訳ですよ。
当時だっていろんなラッパ吹きがいて幾つかの違うタイプのものをそれぞれが使っていた可能性はある、と想像してみたり(以下想像)。
ちょっとお金のあるプレイヤーはスライド付きのナチュラル。
清貧を極めるプレイヤーはスライドも孔も無い簡素ナチュラル。
フリーで楽団に属しないラッパ吹きは何の制約も無いので孔が開いたバロックラッパ。
孔が開いたものは当時のものとしては見つかっていないらしいのですが宮廷ラッパ吹きの契約書だかなにかに「孔の開いたラッパは使ってはならない」という項目があった、という話を昔聞いた事があります。全然興味がないときに聞いた話だったので誰がどこで仕入れた情報かはわかりませんが、何方かその辺のこと詳しくないでしょうか?
バッハ、ヘンデルの頃のラッパ吹きはコンマスよりも給料高かったらしいのですが、そういうリスクも考慮しての事であれば納得です。
何れにしても当時がこれだったのでこれが正しい、というのが判ればそれはそれで面白い。
だからといって今現在同様に演奏しなければならない、という理由になるわけでもない。
まぁ、実際ありえないがドラエモンに頼んでタイムマシーンで300年前に行って当時のラッパ吹きに孔ありのバロックラッパ見せたら欲しがるに決まっているし、つば抜き見せても欲しがるでしょう。
結局のところ何を望まれて今の形になってきたのか?
少しずつ変化とともに何か過去に忘れ物してきていないか?
古楽器で遊びながらそんな過去の忘れ物を拾い集めたらなんかまた面白いのかもしれない、というのが僕が今思っている事だ。
あと大切な事は多くの時代に関係なく聴衆は美しいか、美しくないか、という感覚で聞いている。
美しくなかった時点で「あれ?」と思うのは人間として当然ではある。
正しいか正しくないか、ではない。
「孔無しの難しいもので吹いているんです、だからいくら外してもハーモニーが崩れても脳内修正して聞いてください!」 というのは軽く疑問を感じなくもない。
いくらなんでもそんなこといって演奏している人はいないと思いますけれど。
仕事のオマケ的趣味だけれど「趣味」となったら楽しい。
アマチュアの特権としてバシバシ楽しませてもらおう~