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※重篤な副作用は一般的に発生頻度が低く臨床現場において遭遇する機会が少ない。

そのため、副作用の発見の遅れが重篤化することもあるので、早期発見・早期対応を簡単に記したものになります。

(自分用にまとめたメモなので、抜けや読解ミスによる誤記がある場合もありますのでご了承ください)

 

急性汎発性発疹性膿疱症

【症状】

高熱(38℃以上)」「皮ふの広い範囲が赤くなる」「赤くなった皮ふ上に小さな白いブツブツ(小膿疱)が出る」「全身がだるい」「食欲がない」など

 

【原因になり得る薬剤】

 抗菌薬解熱鎮痛薬、総合感冒薬(かぜ薬)、痛風治療薬、抗てんかん薬など

 

【対処】

放置せずに、服用を中止した上で、ただちに医師・薬剤師に連絡し、病院を受診する。

できれば薬によっては自己判断で中止しない方がよい薬もあるため、指示を仰いだ方がよい。(夜間休日等、病院が閉まっている時は、救急安心センター事業(♯7119)に聞くのも手です。それでも分からないときは一時的に服薬を中止してもかまわない。服用か中止か迷った時は服用を止める

 

【概要】 

急性汎発性発疹性膿疱症とは、高熱(38℃以上)とともに、急速に全身が赤くなったり、赤い斑点がみられ、さらにこの赤い部分に多数の小さな白っぽい膿みのようなぶつぶつ(小膿疱)が出現する病態です。血液検査値の異常も認められます。
 大部分は医薬品を飲んだ数日後に発症することが多く、原因医薬品の服用を中止すると、約2週間で発疹は軽快します。しかし、原因医薬品に気づかずに投与が続けられると高熱や皮ふの症状がなおらず、重篤な状態になります。

急性汎発性発疹性膿疱症(AGEP)は、スティーブンス・ジョンソン症候群中毒性表皮壊死症薬剤性過敏症症候群と並ぶ重症型の薬疹である。

(薬剤使用後、高熱とともに急速に出現する多数の無菌性小膿疱を有する汎発性の紅斑で、末梢血の好中球増多を伴う)

 

【早期発見と早期対応のポイント】
(1)早期に認められる症状

 医薬品服用後急速に出現する無数の小膿疱をともなうびまん性の紅斑、浮腫性紅斑に加え、発熱(38℃以上)、全身倦怠感、食欲不振。

医療関係者は、上記症状のいずれかが認められ、その症状の持続や急激な悪化を認めた場合には早急に入院設備のある皮膚科の専門病院に紹介する。 

 

(2)副作用の好発時期

原因医薬品の服用後数時間~数日以内に発症する場合(すでに薬剤に対して感作されている場合)と服用後 1~2 週間後に発症する場合(初めて服用した場合)がある。 

 

(3)推定原因医薬品

・抗生物質(ペニシリン系、マクロライド系、セフェム系、オキサセフェム系、カルバペネム系、テトラサイクリン系、キノロン系抗菌薬、など)

・抗真菌薬(イトラコナゾール、テルビナフィンなど)

・痛風治療薬(アロプリノール)

・抗てんかん薬(カルバマゼピン)

・降圧薬(ジルチアゼム)

・鎮痛解熱薬(アセトアミノフェン・NSAIDs)

など

 

(4)患者側のリスク因子

感染症、乾癬、関節リウマチ、白血病、糖尿病などを基礎疾患として有している患者では、発症しやすい傾向がある。

また、高齢者や肝・腎機能障害のある患者では、当該副作用を生じた場合、症状が重症化しやすい。 

免疫系の病気・感染症リスク↑の病気で発症しやすい)

 

(5)自覚症状

38℃以上の高熱紅斑上に多発する小膿疱、全身倦怠感、食欲不振。

 

(6)他覚症状

間擦部(頸部、腋窩部、陰股部など皮膚が密着して摩擦する場所)あるいは圧迫部に5mm大以下の毛孔に一致しない小膿疱を有する浮腫性紅斑あるいはびまん性紅斑がみられ、全身に拡大する。原因医薬品が除去されれば小膿疱は数日で乾燥し、落屑となる。時に小膿疱は融合し、角層が薄く剥がれるようになる。

 

(7)早期発見に必要な検査項目

①血液検査(血液像を含む)

②炎症反応(C 反応蛋白)

③血液細菌検査 

 

(8)発症機序

病変部のT細胞の解析により、通常の播種状紅斑丘疹型の薬疹に比べて本症では末梢血や皮膚病変組織にCXCL8(interleukin-8)を産生する薬剤特異的Tリンパ球(HLA-DR、CD4、HLA-DR、CD8)が有意に多いことが指摘されている。

最初に薬剤特異的Tリンパ球が表皮に集まり、このTリンパ球やケラチノサイトからgranulocyte/macrophagecolonystimulating factor (GM-CSF)やCXCL8が産生される。CXCL8により病変部に好中球が集積するため、膿疱を形成するという機序が関与していることが考えられている。 

 

(9)副作用発現頻度
人口100万人当たり年間1~5人との報告がある

 

【治療方法】

①被疑薬の使用の中止

②てステロイド薬の全身投与

③抗菌薬による発症が疑われる場合には代替の抗菌薬は化学構造の異なるものを選択

 

【その他】

(1)医療関係者の対応のポイント

・39~40℃の高熱、全身性に急速に出現する多数の5mm大以下の小膿疱を有する浮腫性紅斑あるいは小膿疱を有するびまん性の紅斑が主要徴候である。小膿疱は毛孔に一致しない。いずれの場合も紅斑の色調は間擦部(頸部、腋窩部、陰股部など皮膚が密着して摩擦する場所)あるいは圧迫部に強い傾向があり、この部分に小膿疱も多発密生する。

原因薬物と思われる薬の処方を受けている患者などで、このような症状を認めたときは、原因医薬品の服用を中止した上で、血液検査を実施する。

血液検査では好中球優位な白血球増多や炎症反応の上昇の有無を確認する。また、敗血症を否定するために血液の細菌培養を行うことが望ましい。 

 

(2)急性汎発性発疹性膿疱症の判別方法とその主要所見

①急速に出現、拡大する紅斑
②紅斑上に多発する無菌性の非毛孔性小膿疱
③末梢血の白血球中の好中球増多(7,000/mm3以上)
発熱(38℃以上) 

※主要所見のすべてをみたし、他の病気でないものを急性汎発性発疹性膿疱症とする

 

(3)判別が必要な疾患と判別方法

①膿疱性乾癬:発症は比較的緩徐で、小膿疱は乾癬局面内にみられる。

②角層下膿疱症(Sneddon-Wilkinson 病):発熱などの前駆症状は通常なく、間擦部中心に米粒大前後の弛緩性の膿疱を形成することが多い。

中毒性表皮壊死症(toxic epidermal necrolysis: TEN):全身の 10%を超える表皮の壊死性障害による水疱、表皮剥離・びらんを認め、粘膜疹を伴う。

薬剤性過敏症症候群(drug-induced hypersensitivity syndrome:DIHS) :全身に紅斑丘疹や多形紅斑がみられ、進行すると紅皮症となる。通常、膿疱を伴わないが、ときに顔面~頸部に小膿疱が多発することがある。

⑤急性汎発性(全身性)膿疱性細菌疹:多くは上気道の連鎖球菌感染症に引き続いて全身に散在性に膿疱、小紫斑が出現する。

⑥膿疱性汗疹:高熱が出現した後に間擦部に汗疹が出現し、これが膿疱化した病変である。

⑦敗血疹:38~40℃の高熱が生じ、熱型は弛張熱、時に稽留熱で持続する。全身に膿疱が散在性にみられる。

 

(4)その他、参考所見
①皮疹は間擦部や圧迫部に出現しやすい
②膿疱は5mm大以下のことが多い
③多くで粘膜疹は認めない
④ウイルスや細菌感染が先行あるいは増悪因子となることがある
⑤基礎疾患(乾癬、関節リウマチ、骨髄性白血病、潰瘍性大腸炎、掌蹠膿疱症、糖尿病など)が存在していることが多い

 

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