スポーツ心理学事典 | 白黒のブログ

スポーツ心理学事典

スポーツ心理学事典
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評価 面白・難


内容 ~


刺激や反応の選択肢を増やすなど、課題遂行の際に新たな条件を加えると反応時間が遅延することから、

その遅延時間が付加された処理に要する時間であると考えられている


感覚器から受け入れた情報を知覚し理解する段階の処理時間は、刺激の強度(intensity)や明瞭性(clarity)によって変化する


反応時間課題では、反応の選択枝数が増大すると反応時間が増大する




つまり、反応を選択するために必要な情報量に比例して反応時間が増大する


・注意 attention

2つの注意概念

1、情報の選択という意味

2、情報処理能力の有限性または容量という意味


前者は、選択的注意で、利用可能な膨大な入力情報の中から有益な情報を優先的に選び出し、より高次の処理を加えるための家庭である

後者は一般的な処理資源という意味で、人間が一度に処理できる情報に限界があることを示している


処理資源不足の理論 ~試合中に実力が発揮できないのは、心配事などに有限な処理資源が奪われ、主課題であるスポーツ技能に注意が十分に配分できない


意識的制御の理論 ~試合中に実力が発揮できないのは、長年の練習によって高度に自動化されたスポーツ技能に対して、慎重に動作を遂行したいという思いから、過剰に注意を配分してしまい、結果的に自動的で協調的な運動が損なわれてしまう


・予測 anticipation

事象的予測 ~素早い運動反応には、筋の即応性という運動性もさることながら、起こりうる事象に予測して反応するための準備をいち早く行うという認知能力の要因が寄与している

時間的予測 ~予測能力は正確なタイミングで運動反応を行うためにも重要である

・記憶 memory

1、感覚記憶…環境や感覚情報を貯蔵するシステム


2、作動記憶…一時的な情報の貯蔵や様々な認知情報処理を行う記憶システム(ワーキングメモリ)

作動記憶への情報入力には、感覚記憶にある情報の中で注意が向けられた情報を符号化する方法と

長期記憶にある情報を検索する方法がある

これらの情報は作動記憶に貯蔵されている限りは利用できる状態にあり、

思考などのために統合・操作することが可能であるが、情報の貯蔵には容量と時間の制限がある

運動短期記憶の情報も維持リハーサルなしでは1分しか貯蔵できない


3、長期記憶…作動記憶とは異なり、いったん貯蔵された情報は、半永久的に貯蔵され、許容量は無制限といわれている。長期記憶への情報入力は、覚えるべき情報を作動記憶において精緻リハーサルをすることなどによる


・運動技術と運動技能


運動技術(movemennt technique)とは、運動課題を効率的に遂行するための、合理的かつ効率的な運動の実施方法であり、論理的で一般的な知識体系である

運動技能(motor skill)とは、理想的な運動技術を目標としながら,個人の技量や学習水準に合わせて、個人が自らの経験を通して獲得した運動能力であり、感覚的で個別的な運動機能体系である


運動技術は、わかるものであり認知的に習得するが

運動技能は、できるものであり身体的に習得するものである


運動技術を技能化するときには、初期の学習過程ではわかってからできるようになるが、

後期ではできてからわかる方向性をもつ


このような運動を通した技術の理解は、客体的・外在的な技術と主体的、内在的な技能との異同を認識できるので、質的に数段高いものとなる


遂行結果に関する情報を与える回数や、一括して与える計画よりも、学習者自身がKR(結果の知識)を受け取る試行を能動的に選択する計画が重要である


【学習】 …練習や経験に伴う、技能遂行能力の比較的長期間にわたる向上をいう。学習は中枢神経系の変化であり、外部から直接観察できない


過剰学習 …学習が十分に進行すると、基本的な技能を安定して遂行できるようになる。技能遂行能力がこの段階に達した後、さらにこれらの練習を積み重ねることをいう。このとき、練習では目立った向上は認められないが、学習自体は進行しているため、様々な状況においてより安定した運動遂行の発揮が可能になる。


速度精度相反性 …一般に、運動技能を正確に遂行しようとすると動作速度は低下する。このとき、速度と精度のどちらを強調した練習を行うかが問題となる。速度が増すと誤差や失敗が増大することから、失敗の増大に伴う動機づけや自己効力感の低下を招く恐れがある


熟達化に伴い課題遂行の柔軟性が増し、同一の課題を様々な方略を用いて解決ができるようになる


コツ …一般に運動技能の遂行を円滑にする要領や勘所をいう。学問的観点からいうと、コツとは手掛りに対する注意の向け方、すでに会得した類似技能の転用方法、言語化可能な遂行方略などをさす。


学習中のパフォーマンスにおいても、学習期間後の学習効果においても、『ベストを尽くせ』という漠然とした目標設定よりも、具体的な目標を設定することが有効である


結果目標では、成功失敗の判断基準が他者との比較という外的要因となり、動機づけや有能感を高めにくい。

達成目標では、成功失敗の基準が自分自身にあるため、動機づけや有能感を高めるうえで有効である


動機づけ(モチベーション) …行動を特定の方向に向けて生じさせ、持続させる潜在的な心理的エネルギー≒やる気


動機づけは行動主体に何らかの欲求が存在し、かつ欲求の対象である誘因が存在する場合に生じる


満たされる限界のない成長欲求自己実現の欲求

満たされる度合いが少ないほど強くなり、満たされることにより減少する欠乏欲求…生理的、安全・安定、愛情・所属、承認・自尊の欲求


スポーツでは、成功の主観確率が50%の目標を設定すると学習者や選手の動機づけが高まる。


成功達成傾向…達成動機×成功の主観的確率(期待)×誘因価(価値)


失敗回避傾向…失敗回避動機×成功の主観確率(期待)×誘因価(価値) 

すなわち、成功を求める傾向と失敗を避ける傾向の相対的な強さによって、達成動機づけの強さが最終的に規定される (期待ー価値論)